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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第9章 「勇者」達との新生活

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第411話 勇者達と「お仕事」・4


 それは、春風達がフロントラルを出る前、ハンターギルド総本部で仕事を受けようとしていた時のことだった。


 「実は、春風君に『指名依頼』が来てるんです」


 と、受け付けで女性職員のジュリアにそう言われて、


 「え? 俺にですか?」


 と、それに春風はそう返事したが、すぐにハッとなって、


 「……ま、まさか、ナンシーさんからですか?」


 と、タラリと汗を流して警戒しながら、ジュリアに向かって恐る恐るそう尋ねた。


 だが、


 「い、いえ、もしも春風君が私のところに来たら、『あなたに指名依頼があるので、詳しい内容は仕事請け負い用の受け付けで聞いてください』と伝えるようにとフレデリック総本部長から言われてて……」


 と、ジュリアが慌てた様子で首をブンブンと左右に振りながらそう否定したので、そんな彼女の言葉に、


 (フレデリック総本部長さんが? 一体何故……?)


 と、春風は更に警戒しながらそう疑問に思ったが、すぐに「ふぅ」とひと息入れて気持ちを切り替えると、


 「わかりました。では早速聞いてみることにします」


 と、春風はジュリアに向かってそう言うと、レナ達と共に仕事を請け負う為の受け付けに向かった。


 その後、その受け付けで、


 「すみません。俺に『指名依頼』が来ていると聞いたのですが……」


 と、そこにいる男性職員に向かって、自身のライセンスを見せながらそう言うと、


 「ああ、春風さんですね。ちょっとお待ちください」


 と、男性職員はそう答えた後、自分がいる受け付けのデスク、そこについている引き出しの1つを開けると、


 「()()()になります」


 そう言って、春風に1枚の書類を差し出した。


 最初は警戒していた春風だったが、


 (うーん、これ多分逃げられない気がする)


 と、すぐにそう考えて、差し出されたその書類を受け取り、そこに記された内容を確認すると、そこにはこう記されていた。


 依頼主……ハンターギルド総本部。


 仕事内容……パープル・スライム5匹の討伐。


 その内容を見て、


 「「「はぁ!?」」」


 と、レナ、ディック、フィオナがそう驚きに満ちた声をあげたので、


 「うわ! ど、どうしたの3人共!?」


 と、驚いた春風がレナ達に向かってそう尋ねると、


 「あ、ご、ごめん春風」


 と、その質問にハッとなったレナは、慌てた様子で春風に向かってそう謝罪した。


 その後、


 「レナ、もしかしてこの魔物のこと知ってるの?」


 と、春風が再びレナに向かってそう尋ねると、レナはコクリと頷いて、


 「春風。『ブルー・スライム』って魔物は覚えてる?」


 と、春風に向かって真剣な表情でそう尋ねてきたので、


 「うん、覚えてるけど、それがどうかしたの?」


 と、春風は首を傾げながらそう尋ね返すと、


 「あのね、『パープル・スライム』っていうのは、以前春風が戦った『ブルー・スライム』の上位にあたる魔物で、『ブルー・スライム』と同じ水属性の魔力攻撃が得意なんだけど、『パープル・スライム』はそれに加えて『毒』を使った攻撃も得意なの」


 と、レナは恐る恐るといった感じで、「パープル・スライム」という魔物についてそう説明した。


 ただよく見ると、レナの顔色はとても悪そうで、しかもレナだけでなくディックとフィオナまでもが「う、うわぁ」と言わんばかりのもの凄い嫌そうな表情を浮かべていたので、


 「あー、もしかするとレナ達も戦ったことがあるの?」


 と、春風はレナに向かってそう尋ねた。


 その質問に対して、


 「「「……」」」


 3人は無言で更に顔色を悪くしたので、


 (あ、これ相当な()()()()を植えつけらたな)


 と、春風は察したようにそう考えると、改めて書類を確認し始めた。


 すると、仕事内容の下に更に()()()()()()()()が書かれていた。


 注意……尚、パープル・スライムの討伐は、春風1人で行うこと。仲間との共闘は禁止とする。


 その文章を読んで、


 「お、おおう、マジか……」


 と、春風がタラリと汗を流していると、


 「「「はいいいいいいい!?」」」


 と、レナ、ディック、フィオナは再び驚きに満ちた叫びをあげたので、


 「うわぁお! び、びっくりしたぁ! 何なのみんなして……!?」


 と、春風も思いっきり驚いていると、


 「春風、ちょっとそれ見せて!」


 と、レナは春風が持っていた書類を強引に奪って、それをジッと見つめた。


 そして、


 「ほ、ホントだ。『春風1人で戦え』って……」


 と、レナが顔を真っ青にしたので、


 「れ、レナ、一体どうしたの?」


 と、春風は恐る恐るそう尋ねると、


 「あ、兄貴、『パープル・スライム』ってのはレナさんもさっき言ったように上位の魔物で、戦うなら()()()()()()()()()()()()()()()()()()って言われてるんだ」


 と、レナではなく顔を真っ青にしたディックがそう答えたので、その答えを聞いて、


 「あ、そうなんだぁ……」


 と、春風はそう感心したが、


 (ちょおっと待てえええええ! そんなヤバい奴相手に俺1人で戦わなきゃいけないの!? しかも5匹もぉ!?)


 と、すぐにディックと同じように顔を真っ青にしながら、心の中でそう悲鳴をあげた。


 すると、


 「……あれ? まだ何か書いてある」


 と、レナが書類を見ながらそう口を開いたので、それを聞いた春風は「え?」と声をもらしながらレナから書類を取り戻して、改めてそれをジッと見つめた。


 よく見ると、書類の最後の部分にはこんなことが記されていた。


 ※尚、無事に依頼をクリアしたあかつきには、春風のハンターのランクを上げるものとする。


 書類の最後の方に記されたその一文を読んで、


 「……マジかよ」


 と、春風がボソリとそう声をもらすと、


 「はっ!」


 不意に誰かの視線を感じたので、春風はすぐに周りをキョロキョロと見回すと、


 (あ、フレデリック総本部長さん?)


 春風達から少し離れた位置に、春風をジッと見つめるフレデリックの姿があって、しかもよく見ると、その表情は「ふっふっふ……」と春風を見つめながら不敵な笑みを浮かべていたので、


 「どちくしょうがぁあああああ!」


 と、春風はそう叫びながら、グシャリと書類を握りつぶした。


 その後、


 「は、春風?」


 と、レナが恐る恐るそう尋ねると、春風はそんなレナを無視して、


 「この指名依頼……受けます!」


 と、グシャグシャに握りつぶした書類をダンッと受け付けのデスクに叩きつけながら、


 「は、はいい!」


 と、ビビる男性職員に向かってそう言った。

 


 


 


 


 


 



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