第398話 職員食堂にて・2
お待たせしました、1日遅れの投稿です。
時を遡ること少し前。
フレデリックに案内されるように、ハンターギルド総本部内にある職員食堂に着いた春風。勿論、2人を追うようにレナをはじめとした春風の仲間達も職員食堂に着いた。
その後、食堂の奥にある厨房で料理をする調理師達に向かって、フレデリックが「ここを使わせてくれませんか?」と交渉を開始した。最初はフレデリックの言葉を怪しんだ調理師達だったが、
「彼にしか作れない特別な料理があるそうです」
と、フレデリックがチラッと春風を見ながらそう言ったので、彼の言葉に「ほう!」と調理師の1人は大きく目を見開くと、
「わかりました、どうぞお使いください」
と、フレデリックに向かってそう言い、その言葉を聞いて、
「ありがとうございます」
と、フレデリックはペコリと頭を下げながらそう言うと、チラッと春風に視線を向けて、
「では、よろしくお願いしますね」
と、ニコッとしながらそう言った。
そんなフレデリックの言葉に、
「わかりました」
と、春風はそう返事すると、
「春風、私も手伝うわ」
と、いつの間にか春風の傍にいた凛咲がそう言ったので、
「ありがとうございます、師匠」
と、春風は凛咲にお礼を言った。
その後、調理師達に見守られながら、春風と凛咲は調理を開始した。
凛咲が持ってきた紙袋を開けて、中に入ってたもの……お米を、これまた凛咲が持ってきた大きな土鍋に何杯か入れると、傍にあった流しで水を入れてしっかりといで、その後、空いていた調理台……もっと正確に言えば、調理台型の魔導具の上に置くと、その魔導具に自身の魔力を流して火をつけた。因みに、使い方は調理師の1人に聞いていた。
まぁとにかく、春風はお米を調理し終えると、
「師匠、他には何を持ってきたんですか?」
と、凛咲に向かってそう尋ねた。その質問に対して、
「今出すから、ちょっと待っててね」
と、凛咲は笑顔でそう答えると、米の時と同じように腰のポーチからとあるものを取り出した。
それは、春風や凛咲、そして歩夢ら勇者達の故郷である「地球」から持ってきた様々な調味料だった。当然そこに出されたのは、
「醤油に……味噌まである」
と、春風が言ったように、目の前に醤油と味噌が置かれていて、その2つと他の調味料を見つめると、
「師匠、本当にありがとうございます」
と、春風は凛咲に向かってそうお礼を言った。
その後、春風はお米が炊き上がるまでの間に新たな調理を開始した。
作るのは、凛咲が持ってきた「味噌」を使った味噌汁。中に入れるのは、芋やネギによく似た野菜で、それぞれ食べやすいように細かく刻んである。
そして、メインのおかずは焼き肉で、こちらはエルードでゲット出来る肉を使わせてもらった。そんな肉に使うのは、
「これこれ、生姜!」
そう、同じく凛咲が「地球」から持ってきた生姜で、春風がこれから作る焼き肉は、「生姜焼き」である。
とまぁこんな感じで、春風は凛咲が持ってきた米や調味料を使って料理をしていった。春風自身には「調理」のスキルがあったので、料理が出来上がるまでのあらゆる行程を効率よくこなせるようになっていたので、
(オーディン様、マジで感謝します)
と、春風は自身の契約神であるオーディンにそう感謝した。
まぁそれはさておき、調理を進めていく春風を見て、調理師達は何を思ったのか、
「すまない、私達にも、何か手伝えることはないだろうか?」
と、春風に向かってそう尋ねると、
「はい、勿論あります!」
と、春風はコクリと頷きながらそう言うと、調理師達はすぐに春風の指示のもとでそれぞれ行動を開始した。
そして、それから暫くすると、人数分のおかずが出来上がって、それと同時に、
「よし、ご飯が出来た!」
と、お米の方も炊き上がったので、春風達はそれらを持って厨房を後にし、仲間にその出来上がった料理を配った。勿論、春風と凛咲、そして手伝ってくれた調理師達の分もある。
そして、全員分の料理を配り終えて、
「それじゃあ皆さん、ご一緒に……!」
と、春風は周囲を見回しながらそう言うと、
『いただきます!』
と、仲間達と共にそう言って、用意した料理を食べ始めた。
焼いた肉を食い、味噌汁を啜り、そして炊き立てのご飯を食べながら、
(ああ。これ、凄く懐かしい)
と、春風はジーンと感動していた。
この世界、エルードに来てから、春風はかなり濃密な日々を過ごしていた。ルーセンティア王国で歩夢達と別れて、レナと共に女神ヘリアテスに出会い、ここフロントラルで「ハンター」として活動し、断罪官大隊長のギデオンと戦い、そして今、こうして歩夢達と再会して、彼女達とご飯を食べている。
(なんだろう。ここまで凄く長い時が流れたの感じたんだけど……)
と、春風はそう思いながら、ふと周囲を見てみると、歩夢をはじめとした仲間達が楽しそうに食事をしている中、
(ん? うげ!)
食堂の出入り口では、大勢のギルド職員達やハンター達が、
『う、美味そう……』
『く、食いたい……』
と、皆、目をギラギラとさせ、口からダラダラと涎を垂らしながら見つめていたので、春風は思わず啜っていた味噌汁を吹き出しそうになった。
そんな春風を、フレデリックが「ん?」と見つめると、春風の視線の先を見て、
「……ふふ、なるほど」
と、納得の表情を浮かべた。
そして、
「春風さん」
と、フレデリックが春風にそう話しかけて、
「……何ですか?」
と、それに春風が恐る恐るそう返事すると、
「彼らの分も、お願い出来ますか?」
と、フレデリックがチラッと出入り口に集まっていた人達を見ながらそう尋ねてきたので、
「わ、わかりました」
と、春風は観念したかのようにそう言った。
この後、春風は凛咲や調理師達と共に再び厨房に入って、職員達やハンター達の分の食事を作ったことは言うまでもない。
謝罪)
大変申し訳ありませんでした。この話の展開を考えていたら、その日のうちに終わらせることが出来ず、結果として1日遅れの投稿となってしまいました。
本当にすみません。
それと、あくまで予定ですが、あと2、3話くらいで今章は終了です。




