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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第8章 「再会」の時

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第380話 そして、「春風vsエヴァン」へ・2


 「……が、頑張って」


 「はい、姉上!」


 と、ルイーズからの「応援」に対して、元気よくそう返事したエヴァン。


 そんな2人の姉弟を見て、


 (はは、よかったねエヴァンさんとやら)


 と、春風はホッコリとした笑みを浮かべると、


 「さーてと……」


 と、小さくそう呟いて、表情をキリッとしたものに変えた。


 その瞬間、エヴァンは何かピリッとしような空気を感じたのか、すぐにバッと春風の方を向くと、エヴァンも春風と同じようにキリッとした表情になって、腰のベルトに下げた長剣の柄を握り、ゆっくりと鞘から引き抜いた。


 それを見て、春風は大きく深呼吸すると、腰のベルトに下げた翼丸を鞘から引き抜いた。


 「その剣で戦う気か?」


 と、エヴァンが春風に向かってそう尋ねると、


 「いや、そんなつもりはありませんよ。ただ……」


 と、春風は何とも微妙な表情でそう答えたので、その答えにエヴァンが目を細めると、


 「()()やると『卑怯者』と罵られそうで怖い」


 と、春風は微妙な表情を浮かべたままそう言った。


 その答えを聞いて、


 「何だと? 何をするというんだ?」


 と、エヴァンが警戒しながらそう尋ねてきたので、春風は「うーん」と考え込むと、覚悟を決めたかのように「うん」と頷いて、腰のケースに納めた夜羽を引き抜き、それをエヴァンに見せた。


 「う! そ、その扇は!」


 と、夜羽を見たエヴァンが大きく目を見開くと、


 「覚えてますかエヴァンさん? あれから()()()()しましたが、こいつはかつて、あなたの剣を真っ二つにした扇です」


 と、春風は真剣な表情でそう説明した。


 その説明を聞いて、エヴァンはその時のことを思い出したのか、歯をギリッと鳴らすと、


 「ああ、覚えてるとも。()()()のことは、今でもハッキリと覚えてる」


 と、キッと春風を睨みながらそう言った。


 一方、春風の説明を聞いた周囲の人達はというと、


 「え? あれ、私がプレゼントした「お守り」なの? ていうか、剣を折ったの?」


 と、凛咲がポカンとした表情でそう口を開いたので、


 「あ、はいそうです。あの時は本当にビックリしました」


 と、歩夢は当時のことを思い出しながら、凛咲に向かってそう言った。


 その言葉に凛咲が「へぇ、そうなんだ」と感心していると、


 「そう。そして、あれが春風の()()()()()だって」


 と、今度はレナがそう口を開いたので、


 「え、マジで!? あの刀がメインじゃないのか!?」


 と、その言葉に鉄雄が目を大きく見開きながらそう反応すると、レナはコクリと頷いて、


 「そうだよ。因みに、春風はあの2つの武器にちゃんと名前をつけていて、剣の方は『翼丸』、扇の方は『夜羽』っていうの」


 と、春風の武器の名前を教えると、


 「「「な、何それ!? 超かっこいい!」」」


 と、鉄雄、野守、夕下の3人は衝撃を受けたかのように驚き、


 「あら! ちゃんと名前までつけてるんだぁ!」


 と、凛咲は表情を明るくしながら再びそう感心した。


 さて、そんな凛咲達を他所に、


 「はは、ちゃんと覚えてましたか。で、その後はさっきも言ったようにコイツには多少の改良を加えたから、今では()()()()()も出来るんですよ」

 

 と、春風はエヴァンに向かってそう言うと、スッと夜羽を天井に向けながら、ゆっくりと目を閉じた。


 すると、夜羽が緑色に光り出して、その後すぐに、小闘技場の出入り口から風が入ってきて、緑色に輝く夜羽のもとへと集った。


 そして、春風が「フン!」と鼻を鳴らしながら、風を纏った夜羽をブンッと振ると、先ほどまで緑色に輝いていた夜羽が、緑色の刀身を持つ小振りの剣となっていたので、


 「な、何だ!? 今の光は、『風』属性の魔力か!? まさか、扇を媒体に、風の魔剣を生み出したとでもいうのか!?」


 と、それを見たヘクターが、大きく目を見開きながら春風に向かってそう尋ねると、


 「そうよ。春風はあんな風に、自分の魔力を意のままに操って戦うの。で、あの魔剣もその1つよ」


 と、レナがコクリと頷きながらそう答えたので、


 「なんと! 一体、彼は何者なんだ?」


 と、ヘクターは再び大きく目を見開きながらそう尋ねたが、


 『……』


 残念なことに、その答えを言う者は誰もいなかった。


 一方、春風と相対しているエヴァンはというと、


 「ま、まさか、魔力をそんな風に扱うとは……」


 と、「風の魔剣」へと変化した夜羽を見てタラリと汗を流し、そんな彼に向かって、


 「どうでしょうか? こんなの、あなたの()()()()を思い出させるような気がして『卑怯』っぽくなってしまうんですが……」


 と、春風は若干申し訳なさそうな表情でそう尋ねると、エヴァンは「いや……」と首を振りながら、


 「いらん心配だな。私はルーセンティア王国の騎士の1人だ。騎士に『トラウマ』など不要。寧ろ……」


 と、春風に向かってそう言うと、


 「トラウマの克服の機会をくれて、感謝する」


 と、最後にそう付け加えたので、それを聞いた春風は、


 「はは、そうですか」


 と、弱々しく笑いながらそう返事すると、


 「だったら、ここから先は全力でいかせてもらいますので、エヴァンさんも全力でお願いします」


 と、真っ直ぐエヴァンを見つめながらそう言い、


 「ああ、勿論だ。全力でいかせてもらう」


 と、エヴァンも春風を真っ直ぐ見つめながらそう返事すると、持っていた長剣と盾をグッと握り締めながら構えて、それを見た春風も、翼丸と「風の魔剣」へと変化した夜羽を構えた。


 その瞬間、小闘技場内が緊張に包まれる。


 屋内であるにも関わらず、武器を構えた春風とエヴァンの間を、ヒュウッと風が吹き抜ける。


 そして、そんな2人を前に、審判役の男性職員が、


 「それでは、お二人ともよろしいですね?」


 と、尋ねてきたので、春風もエヴァンも無言でコクリと頷くと、


 「わかりました……」


 と、男性職員がコクリと頷くと、


 「それでは、始め!」


 と、声高々にそう叫んだ。


 


 

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