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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第8章 「再会」の時

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第358話 「空飛ぶ船」が降りてきて……


 (す、凄い! 本当に船が空に浮かんでる!)


 「中立都市フロントラル」の外で、春風が空を見上げると、そこには大きな翼を持った船が浮かんでいた。


 ああ、因みにだが、フロントラルの都市の外にも、既に大勢の人が集まって、皆、春風達と同じように空に浮かぶ船を見つめていた。


 まぁそれはさておき、下から見た感じだと、見た目からして中世ヨーロッパの大型帆船に左右一対の大きな翼が2組ついたものに思えたので、


 「あの、アーデさん……」


 と、春風がアデレードに声をかけ、それにアデレードが、


 「何? 春風」


 と、返事すると、


 「一応確認しますけど、あれが……?」


 と、春風は上空に浮かんでいる船を指差しながら、恐る恐るそう尋ねてきたので、


 「うん。あれがストロザイア帝国で開発された、『魔導飛空船』だよ」


 と、アデレードはコクリと頷きながらそう答えた。


 その答えを聞いて、春風は「そうですか」と返事すると、改めて目の前の空に浮かぶ船、「魔導飛空船」をジッと見つめたので、そんな春風をレナがチラッと見ると、まるで子供のように目をキラキラとさせていたので、


 「ふふ、春風ったら」


 と、レナは小さく笑いながらそう呟いた。


 すると、空に浮かんでいた魔導飛空船が急に動き出したので、


 「うわ! 何だ!?」


 と、春風の隣でディックが驚くと、先ほどまで正面を向いた状態だった魔導飛空船は、今度は丁度真横になるようにピタッと止まったので、


 「な、何いきなり……!」


 と、レナが驚いていると、その魔導飛空船の船体についている扉がガチャリと開かれて、そこから1人の女性が姿を現した。


 その女性を見て、


 「ああ、あれは……」


 と、オードリーが目を細め、


 「やっぱり……」


 と、アデレードが「うげ!」と言わんばかりの嫌そうな表情を浮かべながらそう呟いたので、


 (ん? オードリー市長さんもアーデさんもどうしたんだろう?)


 と、そんな2人を見た春風がそう疑問に思っていると、女性はその手に持っている何かを自身の口へと運んだ。


 すると、女性は大きく息を吸うかのような動きをして、


 「フロントラルの皆さぁあああああん! こーんにーちはぁあああああ!」


 と、思いっきり叫んだ。


 その叫びはとても大きく、地上にいる春風達は勿論、他の人達も思わず耳を塞ぎ、


 (も、もしかして、あの人が持ってるのって、拡声器のような道具なのか?)


 と、春風がそんなことを考えていると、


 「今から着陸しますのでぇ! 危ないですから、下がってくださぁあああああい!」


 と、女性は続けてそう叫んだので、それを聞いた春風達を含めた大勢の人達は、すぐに後ろのフロントラルを囲う外壁の方へと下がった。


 その後、女性が魔導飛空船の扉を閉めると、魔導飛空船は春風達に見守られながら、ゆっくりと地上に降りてきた。


 そして、その魔導飛空船が地面に完全に着地すると、


 「春風はここで待ってて。あと出来れば隠れてて」


 と、アデレードはそう言って1人魔導飛空船のもとへと駆け出し、


 「そうですね、皆さんはここにいてください」


 と、オードリーも春風だけでなくレナ達にもそう言うと、アデレードの後を追うように魔導飛空船のもとへと歩き出したので、


 「どうしたんだろう? アーデさんもオードリー市長さんも……」


 と、春風が首を傾げていると、


 「うーん。よし」


 と、レナが隣でそう呟いたので、


 「ん? レナ、どうしたの?」


 と、春風がレナに向かってそう尋ねると、


 「()()()()()()、お願い」


 と、レナは何もない地面に向かって小さくそう呟いた。


 その瞬間、春風達の横をヒュウッと風が吹いて、その風から何かを感じたのか、


 「今の風、精霊達?」


 と、春風はレナに顔を近づけながら小声でそう尋ねて、その質問にレナがコクリと頷くと、

 

 「これで、あの2人が何を話すのか聞こえるようになったよ」


 と、ニコッとしながら春風と同じように小声でそう答えたので、


 「ありがとう」


 と、春風は再び小声でレナに向かってそうお礼を言った。


 その後、春風達が身を隠すように門の方へと移動する一方、アデレードとオードリーはというと、魔導飛空船のすぐ傍でピタッと立ち止まった。


 そして、2人の目の前で再び魔導飛空船の扉が開かれると、中から地面へと続く階段が現れて、それと同時に、


 「久しぶりぃ! ()()()()()()()()()()()()!」


 と、その向こうから先ほど大きな声で叫んでいた女性が現れて、アデレードとオードリーのことをそう呼んだ。


 女性は動きやすさを重視した感じのドレスを着てはいるが、何処かノホホンとした雰囲気を出していたので、そんな女性を見て、アデレードとオードリーは「はぁ」と2人して溜め息を吐くと、


 「お久しぶりです、()()


 「お久しぶりです、()()()()()()()()()


 と、丁寧な口調とお辞儀をしながら、その女性のことをそう呼んだ。


 すると、「母様」「キャロライン皇妃様」と呼ばれた女性は、階段が出ているにも関わらず、


 「とう!」


 とその場からジャンプして、シュタッとアデレードとオードリーの前に華麗に着地すると、


 「もう、2人ともそんなに畏まらないでよぉ! 特にドリーちゃん、私のことは、昔みたいに『キャリー』って呼んでよね!」


 と、プクーッと頬を膨らませながらそう言ったので、それを聞いた2人は再び「はぁ」と溜め息を吐くと、


 「相変わらずですね、あなたは……」


 と、オードリーは呆れ顔でそう言い、

 

 「ていうか、『ドリーちゃん』って呼ぶのやめてください。私、あなたよりも歳上なのですよ。そして、今はここの市長です」


 と、最後にジト目で「キャロライン皇妃様」と呼ばれた女性を睨みながらそう付け加えた。


 その視線を受けて、


 「えぇ? いいじゃなーい。『ドリーちゃん』はいつまでも『ドリーちゃん』なんだしい……」


 と、「キャロライン皇妃様」と呼ばれた女性……以下、キャロラインがそう反論したが、


 「母様、一体何をしにここに来られたのですか? わざわざ魔導飛空船を引っ張り出してまで」


 と、アデレードもオードリーと同じようにジト目でキャロラインに向かってそう尋ねてきたので、その質問にキャロラインは、


 「え? もういやねぇ、わかってる癖に……」


 と、笑顔でクネクネと体を動かしながらそう言うと、


 「ここにいるんでしょ? ()()()()


 と、笑顔のままアデレードに向かってそう尋ね返した。


 


 

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