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ユニーク賢者物語(修正版)  作者: ハヤテ
第8章 「再会」の時

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第350話 春風、「真実」を話す


 「ほう、『異世界』……それも『勇者』達と同じ世界の住人ねぇ」


 と、ナンシーがそう言ったように、あの後春風は、レベッカ達に自分自身のことについて話し始めた。と言っても、大体のことはレベッカ、ヴァレリー、タイラー、そしてアデレードも知っていて、双子の兄妹ディックとフィオナは、ギデオンとの戦いの時にヘリアテスから()()()()聞いていたので、正確にはそれ以外、レベッカの夫デニスとその娘ウェンディ。先輩ハンターのエリック、イアン、ステラ、ルーシー。鍛治師夫婦のバージルとミラ、ナンシーにである。


 ただ、()()を話したというわけではなく、春風が話したのは、あくまでも自身はルーセンティア王国に召喚された24人の「勇者」と同じ世界の住人なのだが、とある「事情」で春風自身は「勇者」達とは違う形でこの世界に来たことや、その「事情」の為に勇者達から離れることになったことだけだった。


 そのことに関しては、


 (うぅ。ここまできて『嘘』を吐かないといけない状況に……いや、全部が『嘘』ってわけじゃないけど……ああ、でも胃がキリキリする……)


 と、春風はかなり罪悪感に苛まれたが、


 (で、でも、『世界消滅の危機』なんて言ったら、絶対にこの場どころか、最悪フロントラル全体が大混乱に陥るかも……)


 と、すぐにそう考えて、


 「とまぁ、俺のことに関してはこんな感じです」


 と、ちょっと強引に切り替えるようにそう話を締め括った。


 そして、春風の話にナンシーが感心した後、


 「皆さん、今まで嘘をついてすみませんでした」


 と、春風は深々と頭を下げて謝罪すると、


 「ああ、いや! そんなに気にしないでくれ! 確かに衝撃的な話だったけど……!」


 「そ、そうそう! 俺達だって、お前と同じ立場だったらきっと同じことするし……!」


 と、エリックとイアンが慌てた様子でそう返事して、


 「そうだな、エリック達の言う通りだ。『異世界人』だなんてとんでもねぇ話、いきなり言ったって信じてもらえるわけもねぇしな」


 「そうねぇ。私もそう思うわ」


 と、バージルとミラは「うんうん」と頷きながらそう言った。


 すると、


 「……なぁ、春風」


 と、それまで黙って春風の話を聞いていたヴァレリーがそう口を開いたので、


 「は、はい、何でしょうか?」


 と、春風が恐る恐る返事すると、


 「お前の抱えてる『事情』って奴、私らには教えられないほど()()()ものなのか?」


 と、ヴァレリーが真剣な表情でそう尋ねてきたので、それを聞いたレナが、


 「は、春風……」


 と、心配そうに春風を見つめると、


 「……はい。大変申し訳ありませんが、こればっかりはどうしても今この場で言うことは出来ません」


 と、春風は再び深々と頭を下げて謝罪しながらそう言ったので、その言葉に何かを感じたのか、


 「……わかった。だがもし話す気になったら、その時は聞かせてほしい」


 と、ヴァレリーは「ふぅ」とひと息入れながらそう言い、そんな彼女に続くように、


 「勿論、その時は僕にもですからね」


 と、タイラーも春風に向かってそう言ったので、2人の言葉に春風は「うぅ」と呻いた後、


 「……はい。わかりました」


 と、ゆっくりと頷きながらそう返事した。


 その瞬間、食堂内が一気にシーンと静かになってしまい、


 (う、うわぁ。ますます胃がキリキリするんですけど……)


 と、その雰囲気に春風が更に罪悪感に苛まれていた、まさにその時、


 「はいはい! 辛気臭い話はそこまで!」


 と、レベッカが両手をパンパンと叩きながらそう口を開いたので、それに春風達がギョッと目を大きく見開くと、


 「あんた! すぐに春風に食事の用意だよ!」


 と、レベッカは今度はデニスに向かってそう言い、


 「ああ、わかった」


 と、それにデニスがそう返事すると、すぐに厨房の中へと消えた。


 レベッカはそれを見送ると、


 「で、凛咲さんとミネルヴァさんだったね? 春風の話からして、あんた達も春風と同じ世界の住人なんだろ?」


 と、凛咲とミネルヴァに向かってそう尋ね、その質問に対して、


 「ええ、勿論」


 「その通りだが」


 と、2人がそう答えると、


 「それなら、あんた達の話も可能な範囲で聞かせてほしいな。例えば、あんたらの故郷がどんなところとか、春風との出会いとか……」


 と、レベッカはニコッとしながらそう言った。


 そんなレベッカの言葉に、


 「え、ちょっと……!」


 と、春風が「待った」をかけようとすると、


 「ほほう、それは是非私にも聞かせてほしいですね」


 と、春風のすぐ後ろでそんな声が聞こえたので、その言葉に春風だけでなく周りの人達までもが「え?」と声がした方へと振り向くと、


 「ふ、フレデリック総本部長さん!?」


 「どうもどうも」


 と、春風が驚いたように、そこにはハンターギルド総本部長のフレデリックがいた。


 まさかのフレデリックの登場に、


 「ど、どうしたんですかフレデリック総本部長さん?」


 と、春風は緊張した様子でフレデリックに向かってそう尋ねると、


 「いやぁ、何だか()()()()()()()が起きようとしているのを感じまして……」


 と、フレデリックは「ははは」と笑いながらそう答えたので、その答えに春風だけでなくレナ達までもが「ええ?」とドン引きしていると、


 「まぁ細かいことは気にしないで、凛咲さんのミネルヴァさん、あなた達のお話、是非私にも聞かせてくださいな」


 と、フレデリックは特に気にすることもなく平然と近くのテーブル席に座りながらそう言ってきたので、そんなフレデリックに凛咲もミネルヴァも「むむむ……」と警戒したが、


 「……ええ、いいわ。だったら、まずは私の話からね」


 と、凛咲は「ふぅ」とひと息入れながらそう言い、


 「お願いします」


 と、フレデリックがそう返事すると、


 「それじゃあ、私らと春風、そして、この世界に召喚された『勇者』達の故郷、『地球』のことについてかしらね」


 と、凛咲はそう言って「地球」についての話を始めた。


 


 


 


 

 

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