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婚約破棄された崖っぷち女騎手、第三王子に拾われ不吉な『黒いユニコーン』と伝説の専属騎手になる  作者: 目白シキ


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嘘と引き換えに得た11時間

「リア騎手、宮廷図書館への入館証を発行しましたよ。今日一日限定です。本当に、特別に発行したんですからね。」


セドリックが銀の栞のような札を差し出す。

私は恭しく両手で受け取った。


「ありがとうございます!無理を言ってすみません。」


セドリックはハア、と大きなため息をつく。


「本当に無理を仰いますよ、全く・・・。利用時間は、一分でも足が出てはいけませんからね。この懐中時計を持っていくといいでしょう。」


セドリックはユニコーンの彫刻が入った美しい懐中時計を差し出す。


「こんな立派なもの、お借りしても良いのですか?」


「調べ物に夢中になって、時間を忘れられても困ります。そうなったら、貴方を入れた私もただでは済まないでしょうからね。いいですか、時計はこまめに確認するのですよ。」


私は、気をつけます。と借りた懐中時計を懐に忍ばせると、頭を下げて宮廷図書館へ急いだ。


厩舎の何倍もあるような図書館から、たった一冊の本を見つけて今日中に読まなければならない。

一分一秒も無駄にできないのだ。


宮廷図書館に着くと、司書に一日入館許可証を見せて中に入れてもらう。


「この入館許可証ですと、18時までですからね。けっして破ることの無きよう。」


18時。今は陽が昇ったばかりで7時ぐらいだ。

11時間の余裕はある。

されど11時間だ。油断はできない。


「あの、ユニコーンに関する本はありませんか。」


早速司書に聞くと、もちろん。と軽快な足取りで案内してくれた。

コツ、コツと司書と私の足音が静かな宮廷図書館に響く。


宮廷図書館は天井が高く、本棚も何段もあり、上の方は私の目線からだと何も見えない。

何人かの司書が私の身長の何倍もの高さの梯子を器用に登り、本の整理をしている。

広さも、本棚の道はずっと先まで何列も続いており、果てしなく感じる。


さらに、床は大理石で私が映るほどきれいに磨き上げられ、窓や天井には美しい金の装飾が施されている。

市民が使うような木造の図書館とは大違いだ。


私がキョロキョロしていると、司書はこの棚です。と指さした。

指さした方を見てみると、高い本棚がずらりと並んでおり、どの段にも本がぎっしりと入っている。


「あの、どこまでユニコーンの本ですか?」


私が思わず聞く。


「この列の本棚の全てです。」


気が遠くなりそうだった。

11時間もあれば余裕だろうと高をくくっていたが、想像の何倍もの本の多さに卒倒しそうだった。


「もし、高い位置の本をお望みでしたら取りますから。」


司書は眉一つ動かさず当然である、というような態度だ。


「古い本で、銀の縁取りがしている本はこの中にありますか?」


藁にも縋るような思いで聞いてみる。


「さあ・・・私はこの図書館に勤めて長いので、かなりの把握度だと自負しておりますが、そのような本は心当たりがありませんね。題名は分かりますか?」


私は絶句した。

もしかしたら、宮廷図書館にあるという私の見立ては間違っていたのかもしれない。


「いえ、題名は分かりません・・・。ちょっと探してみます。案内していただきありがとうございました。」


私は司書に礼を言うと、司書は見つかるとよいですね、と言い残し、またコツコツと去って行った。


『ユニコーンの育て方のコツ』『ユニコーンの買い方』『馬主になるには』・・・ユニコーンに関する本がずらりと並び、目が滑る。


しかし、どの背表紙も一般書籍と同じように厚紙や木で装丁されており、私が求めている本とは似ても似つかないようなものばかりだった。


私はセドリックから借りた懐中時計を懐から取り出すと、もう短い針は右側に傾いていた。


「嘘でしょ!?」


思わず声が出る。

まだ1,2時間しか経っていないと思っていたが、気づけばもう終了の時間を気にしなければいけない時になっていた。


だめだ、キリがない。

まだ列にあった本棚の半分も確認できていない。


私は焦って歩くスピードを速める。

上から下までじっくり見るのは諦めよう。

ざっと確認してあの古書に近い本を探す作戦に変更した。


あれだけ特徴的な本であれば、小走りであっても目にとまるはず。

しかし、どれだけ見ても、似たような本がずらりと並び、私の焦りは上昇していくばかりだった。


そのとき、棚と棚の間に何やら檻のようなものが見えた。

寄り道している場合ではないのだが、興味本位で近づいてみる。

図書館の中でも明らかにそこは異質な空気を放っていた。


『禁書区域 許可無き者立ち入るべからず』


入り口にはそう書いてあり、柵には厳重に鍵が掛けられていた。


「禁書か。関係ないな。」


私がくるりと本棚に戻ろうとしようと思ったところ、視界の端に見覚えのある背表紙が見え、二度見した。


ぼろぼろの本に、銀の装飾。

間違いない。

私が探していた本だ。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます!


セドリックのおかげで無事に宮廷図書館に潜入したリア。

しかし、11時間というタイムリミットは、広大な図書館の前ではあまりにも短すぎました。

焦りの中、ようやく見つけた銀の装飾が施された古書。しかしそれは、厳重に鍵が掛けられた『禁書区域』の中に……!


「探してた本、まさかの禁書!?」「ここからどうやって中身を読むの!?」とハラハラしていただけた方は、

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次回、木曜日更新予定です

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