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フィリベールとの関係ですか……?

ちゃんちゃん焼きを食べた後、幸せな気持ちのまま、エリーが話があると言ったことも忘れて、いくらの醤油漬けを作っていた。


イクラを筋からほぐしたら、熱湯に塩をいれてゆっくりいくらにかけていく。


これをすることで菌が死滅するから安心して食べられるようになる。


そしたら漬けダレを作っていく。


醤油に酒、あと味醂がないから……砂糖を少しいれて沸騰させる。


沸騰させた後は冷まして、冷ましたタレの中にイクラをドボーンと入れて一日くらい漬けておけば完成だ!!


「んふふ……これで明日にはいくらご飯が食べれるわね。今から楽しみだわ……。」


「それは楽しみだな。」


「えぇ……楽しみね! って……なんでエリーがここにいるのよ!」


なんだか前にも似たようなことがあった気がする。


その時もエリーが私の独り言に返してきた。


もっと早く声をかけてくれればいいのに。いつも急に現れるから心臓に悪い。


「話があると言っただろう。勿論フィリベールも入れて話したいことがあるんだ。だから早くこちらに来てくれ。」


強引に腕を掴んでズンズンと進んでいくエリー。


なんだか少し怒っている感じがするんだけど……私が話を忘れていくらを作っていたからかしら……。


それは確かに申し訳ないのだけど。


「ごめんなさい。イクラを漬けるのに集中してしまってて。」


「それは別に構わない。」


それだけ言うと応接室にたどり着いた。


応接室に着くなり、ソファに座るように言われる。


すでにそこにはフィリベールとラルフお兄様がいた。


「えっと……これは一体?」


フィリベールもなぜ呼ばれたのか、話とは何なのかわかっていないらしい。


エリーがソファにドカリと座ると、膝の上で腕を組んでその上に顎を乗せて話し始めた。


「二人には確認したいことがある。ジェラルディーナ、フィリベール。お前たちはお互いのことをどう思っているんだ。」


え……どう思っているって。


従者としか思っていないんだけど。


いや……秘書? かしら……。


ん-。


でもここまで一緒にいると家族の方が近いような……。


「そうね。家族のような関係だと思っているわ!(頼れる兄が増えたようなそんな感じだし!)」


思っていることを伝えると、エリーがぽかんとした顔をする。


フィリベールも私のことを同じように思っているのか、


「そうですね。私も家族のように思っています。(今まで妹がいなかったので嬉しいですね。)」


私たちの話を聞いた瞬間、エリーの顔が見る見るうちに悪くなっていく。


そもそもエリーには私たちがお互いのことをどう思っていようが、関係ないと思うのだけど……なんでこんなに落ち込むのかが分からない。


「そうか……」


「えぇ。頼れる兄ができたって感じがするわね。」


「私も妹が欲しかったので……元気な妹だな……と思っておりますね。」


思ったことをそれぞれ口にすると、エリーは何が何だかわからないというような顔でこちらを見ている。


さっきから一人で百面相ばかりしているけど……情緒不安定なのだろうか。


フィリベールも同じように思っているのか、私たちは顔を合わせて首を傾げた。


そんなエリーを見るに見かねてか、ラルフお兄様が話し出した。


「はぁ……フィリベール、ディーナ。貴族たちの中でお前たちが結婚するのではないかと噂が流れているんだよ。」


「ディーナが離縁してからそういった話が出回り始めたのと、ホワイトベリル家がアクアマリン領に来ているから、今回のパーティーで発表があるんじゃないかとまで言われているんだ。」


へぇ~……結婚かぁ……。


「……って……え!? 私とフィリベールが!?」


他人事のように聞いていると、まさかの自分の名前が出てきたことに驚く。


っていうか、この間やっと離縁出来たばかりだというのに、結婚なんて全然考えていなかった。


そもそも、養子だが子供だって育てているというのに……。


どうやら、この件はフィリベールも知らなかったらしい……。


「そうだ……。それで居ても立っても居られなくなったエリーが急いでこちらに来たというわけなんだが……ここから先はエリーが話せよ。」


ラルフお兄様がエリーの肩をポンと叩くと、フィリベールを連れて部屋から出て行った。


なぜ、二人きりにされるのかが分からないんだけど、他の人には聞かせられない重要な話ということだろうか。


「ディーナ。色々と誤解をして勝手に怒ってしまってすまない。ずっと伝えたいことがあったんだ。」


エリー自身も少し怒ってしまっていたことは分かっていたらしい。


私は首を横に振ると、そのままエリーが話し始めるのを待った。


「ジェラルディーナ……俺はずっとお前のことが好きだったんだ。本当はオディロンと結婚だってしてほしくなかった……。」


「でも俺は仮にもこの国の第二王子。昔から走り回っているのが好きなジェラルディーナには王宮に入って――」


「ス、ストップ……ちょっと待って。」


「頭の整理が追い付かないんだけど、私のことをエリーがずっと好きだったってこと!?」


エリーの急な告白に吃驚してしまった。


しかもずっと好きだったなんて……そんな素振り一度も……。


ってもしかして、子供たちにパパって呼ばせようとしていたり、スフェレライト領の領地改革を手伝ってくれてたのは……私のことが好きだったからってこと……!?


今までの行動を思い返してみると、ところどころ好きという雰囲気もあったような、なかったような……。


「いいか? 続きを話しても。」


私がストップと言ったからか、律儀に待ってくれていたようだ。


私がこくりと頷くと、エリーは話し出した。


「ジェラルディーナには自由でいてほしかったからあきらめたんだが、まさかオディロンがあそこまでのくそ野郎だとは思っていなかったんだ。」


「でも、同時にチャンスだとも思った。」


「父上には王族を抜ける話もしてあるし、これからスフェレライトを俺がもらい受ける形になっている。勿論領地名も新しくなる予定だ。」


「その……もしよかったら、ジェラルディーナの未来を俺にくれないだろうか。」


「も、勿論、今すぐにというわけにはいかないことも分かっている。子供たちのこともあるし、レイナのことだってあるだろう。」


「だから落ち着いてからで構わない。前向きに考えてほしいんだ。」


捲し立てるように一気に話すエリー。


顔を真っ赤にしながら必死に気持ちを伝えてくれているのが分かるから、私もきちんと自分の気持ちを伝えた。


「そうね……お父様との期限もあと一年あるし、やらなければならないこともある。」


「けど、エリオットの気持ちはとても嬉しかったわ。」


「だから前向きに考えさせてもらう。」


「ただ、まだ離縁したばかりだし少し時間が欲しいの。すぐに答えを出せなくてごめんなさい。」


「大丈夫だ。待つのには慣れている。」


「一年後、答えを聞かせてほしい。」


二人で話を終えた後、フィリベールとラルフお兄様が中に戻って来て、四人で色々話をしてから部屋に戻って眠りについた。

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