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第24話「帰ります」


 ぱむちゃんが店へ戻ると、至誠ちゃんは配送口にいた。


「おかえりなさい!」


 ぱむ。


 端末には九九番が残っている。


《配送完了》

《受領 小暮》

《変更申請 篠原》


 至誠ちゃんは三行を見た。


「お疲れさまでした!」


 それだけだった。


 正解だったとも、間違っていたとも言わない。


 ぱむちゃんは九九番の欄を見た。


 ぱむ。


 ◇


 厨房から新しい紙袋が運ばれてきた。


 百番。


 至誠ちゃんが配送台へ置く。


「次、行けますか!」


 ぱむちゃんの両手が伸びた。


 紙袋に触れる直前で止まる。


 札を見る。


《百番》

《受取 南口受付》

《代理受領 可》


 地図を見る。


 南口を確認する。


 至誠ちゃんを見る。


 至誠ちゃんの指は上がらない。


「私は、南口でいいと思います!」


 ぱむちゃんは札をもう一度見た。


 それから、百番を抱える。


「ぱむ」


 さっきまでより、小さな声だった。


 ◇


「行ってらっしゃい!」


 配送口の扉が開く。


 ぱむちゃんは一歩出て、止まった。


 百番を見る。


 もう一度だけ札を見る。


 それから歩き出す。


 至誠ちゃんの端末に、新しい行が増えた。


《百番 配送中》


 その上には、九九番が残っている。


 至誠ちゃんは消さなかった。


 ぱむちゃんも、振り返らなかった。


 届けば終わるとは、もう思わない。


 それでも紙袋を抱えて、次の届け先へ向かった。

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