第18話「もう一件、成功しています」
九五番の記録は、完了側にあった。
《第三制作室》
《受取 佐伯》
《DELIVERY COMPLETE》
至誠ちゃんは、それを机の中央へ置いた。
「これは成功です!」
ぱむちゃんが見る。
「今もです!」
その横へ、白井の名前が書かれた古い当番表を置く。
《白井》
《佐伯》
◇
第三制作室。
「九五番?」
佐伯が笑った。
「確認です!」
「受け取って助かりましたか!」
「助かったよ。昼忘れてたし」
「受け取る立場でしたか!」
「当番だったからね」
迷いはない。
佐伯は正しい受取人だった。
◇
受付には白井がいた。
至誠ちゃんは古い当番表を見せる。
「この日、佐伯さんへ届けました!」
「うん」
「白井さんが受け取ることはありましたか!」
白井は消し跡を見る。
「予定を替えた後だから、基本は佐伯」
「基本は?」
「私が受付にいたから、佐伯がいなければ私が受け取ってたと思う」
「佐伯さんの名前でもですか!」
「昼当番の分ならね。前にもあったし」
白井は肩をすくめた。
「でも、あの日は佐伯に届いた。それで問題なかったよ」
◇
店へ戻る。
至誠ちゃんは二枚の紙を並べた。
《佐伯 正しい受領》
《白井 受領可能性あり》
「佐伯さんは間違っていません!」
ぱむちゃんが右を見る。
「白井さんも、偽物ではありません!」
左を見る。
至誠ちゃんは九五番をその間へ置いた。
「私は佐伯さんを選びました!」
「現在の当番を確認して、届け先を確定しました!」
ぱむちゃんが至誠ちゃんを見る。
「そして、ぱむちゃんは届きました!」
深緑の点。赤い線。小さな配送タグ。
「あの配送は、能力の失敗ではありません!」
紙を一枚置く。
《判断 至誠》
「だから、私が選んだことも記録します!」
◇
ぱむちゃんは九五番を持ち上げた。
表には、完了。
裏は白い。
至誠ちゃんがペンを出す。
でも、先に書かなかった。
「書いてもいいですか!」
ぱむちゃんは紙を置いた。
ぱむ。
至誠ちゃんが裏へ書く。
《佐伯を選択 至誠》
《結果 受領成功》
その下は空けた。
ぱむちゃんが空白へ指を置く。
「もう一件、成功しています」
至誠ちゃんが言った。
「九五番です」
ぱむちゃんは表を見る。
《DELIVERY COMPLETE》
「成功だったから、私が選んだことも消しません!」
ぱむちゃんは九五番を成功記録の箱へ戻した。
まっすぐには入れなかった。
表も、裏も見えるように。




