33 想いは無窮を越えて ※
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
15禁レベルのボーイズラブ性的描写があります。苦手な方はご注意ください。
《シュン視点》
鍛えあげた逞しい体躯を晒して、上体を起こしているロワクレスの裸体は惚れ惚れするほどかっこ良かった。眺めているだけでも欲情してきそうなくらい色気のある男だ。
それが途方に暮れて豊かな黄金の髪を掻き上げる彼を、俺も困惑して見上げる。本当に経験がないらしい。
だから、俺はロワクレスに両手を伸ばした。
過去の経験は思い出すだけでも反吐がでるようなものだった。けれども役に立つこともあったんだなと、皮肉な思いが脳裏をかすめた。
それでも。
あんたを、感じたい。
そして、一つになろう。あんたと一つに。
溶けて、蕩けて、確かめ合って。
ロワ、あんたはもう一人じゃない。俺がいるから。ずっと、俺が側にいるから。
「シュン、シュン、私のシュン」
ロワクレスが感極まったように名を呼び続ける。
「あ、ああ、ロワ、あ……ロ、ワ」
俺の喉も勝手にロワクレスの名を呼び、喘ぎの声を漏らしていた。だんだんそれすらも怪しくなるほど、俺の脳は溶けていく。
ロワクレスが俺を抱きしめ、キスをする。俺もロワクレスの背に腕を回してきつく抱きついた。
――ロワ。あんたと一つだ。あんたを感じるよ。ロワ。あんたが大好きだ。
これがきっと満たされるということ。俺がずっと欲しかったもの。
「シュン。私の唯一無二。私のものだ」
掠れた低い声でロワクレスが苦しそうに、それでも誇らしげに宣言した。
「ロワ……!」
「シュン!」
そして、二人一緒に弾けた。
***
「シュン、食べられないのか?」
「う……ん」
ロワクレスがベッドの横に来て訊いてきた。
ベッド横にはテーブルが寄せられ、そこにスープやパンが並んでいる。
俺はベッドに転がったまま、気だるげにそれを眺め首を横に振る。
食事は昼飯の分だった。
きっちり軍服を着こみ、既に午前の仕事を終えて戻って来たロワクレスが、心配そうに俺の顔を覗き込む。
そんなに心配するなら、なんであの時一回でやめてくれなかったんだ? 確か、傷ついた身体が心配だから、優しくするとか手加減するとか言ってなかったか?
それなのに、三回以上はしてたよな? 途中で俺が気を失ったから定かじゃないけど。それでも、あんた、止めなかったよな?
「シュンがあんなに煽るからだ」
俺の所為?
「シュンが色っぽ過ぎてな。どうしても、抑えられなかった。すまない」
それ、謝ってる顔じゃないからな! 嬉しそうな笑いが零れてるぞ!
あれだけやって、なんであんたは、そんなに清々とした顔で元気なんだ?
不公平過ぎるだろ!
さっき、ブルナグムが昼飯を持ってきた時、俺がまだ起き上がれない様子に、すごーく微妙な顔で生温ーく同情されたんだぞ。
俺がどれだけ恥ずかしかったか、判るか?
ブルナグムばっかりじゃなく、もう、砦中の人間に丸わかりなんじゃないか?
俺、もう、外歩けないぞ!
「シュン、そんな顔して怒らないでくれ。私は、嬉しかったんだ。本当に、嬉しくてたまらないんだ」
ロワクレスが俺の額にキスを落とし、それから優しく唇を重ねてきた。
優しくて、優しくて、涙が零れるくらいに温かいロワのキス。
そんなキスされたら、いつまでも拗ねてなんかいられやしない。
俺は、ロワクレス、あんたが大好きなんだ。
あんたは、俺にとっても、きっと唯一無二なんだ。
魔法があって、魔獣がいる訳の分からない世界だけれど、俺はここで生きていく。
ロワクレスが居れば、俺はどんな世界でも生きて行けるような気がする。
頼もしくて、信頼できる俺の最高の上官で、そして俺の誰よりも大切な存在。
彼に出会えてよかった。
ロワクレスの腕に抱きしめられて、俺は彼方の魂に呼びかける。
――アンナ、ミーシャ、M・Sの仲間たち、俺、幸せだから。きっと、あんたたちの分も、俺、幸せになるよ。
この声が無窮を越えて、あんたたちに届くといいな。
――ロワ、心配しなくていいよ。俺の身体は強化されている。明日になったらすっかり元気になっているよ。今夜、ちゃんと寝かせてくれたらな。
――無窮を越えて――完――
完結しました。読んでくださってありがとうございました。ブックマークや評価をくださった方、ありがとうございます。とても励まされました。感謝の気持ちでいっぱいです。
この続編は、ムーンライトノベルズ様のほうで、『無窮を越えて』として18禁BL小説として連載しております。ただいま、第二章を完結しております。ご興味がありましたら、そちらも覗いていただければ幸いです。
ほんとうにありがとうございました!




