第52.5話 飾りの筋肉とは何か? 王子、ついに美術班を巻き込み肩幅を芸術にしようとする(4)
◆美術班が肩幅の《《飾り》》を提案する
画家が言った。
「殿下。飾りの筋肉とは……肩幅を《《視覚的に美しく見せる》》ことです」
彫刻家が続けた。
「殿下の肩幅を強調する《《肩飾り》》を作りましょう」
デザイナーが叫んだ。
「殿下専用の《《肩幅強調マント》》を作ります!!」
僕は叫んだ。
「肩幅強調マントぉおおおっ!!」
侍女たちは叫んだ。
「殿下!! 肩幅がファッションになってる!!」
近衛隊長は叫んだ。
「殿下!! 肩幅強調マントは軍事的に有効です!!」
侍医は叫んだ。
「殿下!! 肩幅強調マントは医学的に意味がありません!!」
執事長は静かに言った。
「殿下……芸術とは……心で感じるものです」
アルフレッドは叫んだ。
「心で感じる肩幅って何ぃいいいっ!!」
◆そこへセリシーヌ嬢が登場
庭園の奥から、セリシーヌ嬢が優雅に、ふくよかに歩いてきた。
金糸の髪が朝日に輝き、宝石の瞳がアルフレッドを射抜く。
「殿下……また何をしていらっしゃるの?」
アルフレッドは涙目で、セリシーヌへと叫んだ。
「セリシーヌ嬢ぅうううっ!! 僕の肩幅が……芸術になってますぅうううっ!!」
セリシーヌ嬢は、ふっと微笑んだ。
「殿下。あなたの肩幅は……。私の隣で美しく見えれば、それで十分ですわ」
アルフレッドは、凝りもしないで固まった。
「えっ……?」
セリシーヌ嬢は優雅に言った。
「芸術でも、軍事でも、医学でもありませんわ……。殿下の肩幅は……。《《わたくしのための飾り》》ですもの」
アルフレッドは叫んだ。
「飾りぃいいいっ!!」
侍女たちは叫んだ。
「殿下!! 方向性がまた変わった!!」
近衛隊長は叫んだ。
「殿下!! 軍事的価値が消えた!!」
侍医は叫んだ。
「殿下!! 医学的価値が消えました!!」
美術班は叫んだ。
「殿下!! 芸術的価値が……残りました!!」
執事長は静かに言った。
「殿下……がんばってくださいませ」
アルフレッドは拳を握った。
「僕は……やる!! セリシーヌ嬢のために!! 芸術的で……飾りで……ほどほどの筋肉を……!!」
侍女たちは叫んだ。
「殿下!! 絶対にまた方向性を間違える!!」
こうしてアルフレッドは──肩幅を芸術にしながら、飾りの筋肉という新たな迷走へ進むのであった。
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