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第45.5話 心で感じる筋肉とは何か? 王子、哲学に手を出してさらに迷走する編(1)
朝の王宮庭園──
アルフレッドは石畳の上で正座していた。
「心で……感じる筋肉……」
昨日、セリシーヌ嬢に言われた言葉が、彼の頭から離れない。
「殿下。あなたはあなたらしく……。私の隣で堂々と立っていればよいのですわ」
堂々と立つための筋肉……
ほどほどの筋肉……
心で感じる筋肉……
「……哲学だ……」
アルフレッドの体は震えた。
「筋肉が……哲学になった……!」
◆哲学書を持ってくる執事長
そこへ執事長バルドが静かに現れた。
「殿下……。筋肉の哲学を学ぶために、こちらの書物をお持ちいたしました」
バルドは重厚な本を差し出した。
【筋肉と存在論──肩幅は魂の広さである】
アルフレッドは執事長が持ってきた本を見て叫んだ。
「そんな本あるのぉおおおっ!?」
バルドは真顔で頷いた。
「殿下のために、昨夜急いで書きました」
「自作ぅううううっ!!」
えぇ~、嘘だろう? アルフレッドは心の中で叫ぶだけにとどめた。
執事長のバルドが、自分のことを本気で考えてくれたのだと悟ったから。
彼はまたこれで、大人の階段を昇る。




