第42話 王都外縁・影の戦場からの帰還
魔喰い獣討伐を終え、転移陣が光る。
セリシーヌとオルフェンは魔道庁の地下へ戻った。
訓練区画の空気は静かで、影の戦場の緊張感がまだ体に残っている。
セリシーヌは剣を収めながら息を整えた。
(……初任務、成功しましたわね……。わたくしの魔力も、刃も、暴走しなかった……)
オルフェンは横で淡々と記録を取っていた。
「セリシーヌ嬢……。魔力の刃の安定度、戦闘中の魔力消費量……。どれも訓練時より向上している」
セリシーヌは胸を張った。
「わたくし、影の戦場でも美しく戦えましたわ」
オルフェンは静かに頷いた。
「美しさより、君の魔力が《《成長している》》ことが重要だ」
セリシーヌは目を丸くした。
「成長……?」
「魔喰い獣との戦闘で、魔力の流れが以前より滑らかになった……。肥大化している魔力が、少しずつ“形”を持ち始めている」
セリシーヌは自分の手を見つめた。
(……魔力が成長している……。わたくしの体質の《《ふくよかさ》》が魔力にも影響しているのかしら?)
オルフェンは続けた。
「君の魔力は、放置すれば暴走する危険がある……。だが──正しく導けば、魔道庁の戦力になる」
セリシーヌは静かに頷いた。
「導いてくださいませ……。わたくし、もっと強くなりたいのです」
オルフェンは黒曜の瞳を細めた。
「……それが君の意志なら、私は指導者として支える」
その言葉は、師としての確かな距離感を保ちながらも、
セリシーヌの成長を認める重みがあった。
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