第41.5話 第一王子は“ほどほどの筋肉”を求めてまた方向性を間違え、王宮スタッフ総出で止められる(2)
そこへ侍医のドクター・リュミエールが駆け込んできた。
「殿下!! ほどほどの筋肉を目指すと、栄養管理が地獄になります!!」
「地獄!?」
「筋肉を増やしすぎてもダメ! 減らしすぎてもダメ! 脂肪は絶対禁止! 魔法書も禁止! 殿下の条件……医療的に無茶です!!」
アルフレッドは叫んだ。
「セリシーヌ嬢ぅううううっ!! 僕の条件が無茶だってぇえええっ!!」
侍医は涙目で叫んだ。
「殿下の恋愛……医療崩壊します!!」
今度は侍女と侍医が熱く涙を流し、地面を濡らすと。
執事長バルドは静かに告げる。
「殿下……ほどほどの筋肉を目指すには、まず《《ほどほどの訓練》》が必要です」
「ほどほどの訓練……!」
「はい。こちらに《《ほどほどの訓練メニュー》》をご用意いたしました」
バルドは巻物を広げた。
◆ほどほどの訓練メニュー
腕立て伏せ:一日3回(少なすぎる)
スクワット:一日5回(効果がない)
ランニング:庭園を半周(短すぎる)
食事:脂肪ゼロ、筋肉増強ゼロ、ただの普通の食事(曖昧)
バルトの提案を見て、アルフレッドは叫んだ。
「ほどほどって何ぃいいいっ!!」
侍女たちは泣きながら叫んだ。
「殿下!! 絶対に筋肉つかない!!」
近衛隊長は叫んだ。
「殿下!! そのメニューでは肩幅がさらに減ります!!」
侍医は叫んだ。
「殿下!! その食事では筋肉が溶けます!!」
執事長は静かに言った。
「ほどほどとは……曖昧なのです」




