第41.5話 第一王子は“ほどほどの筋肉”を求めてまた方向性を間違え、王宮スタッフ総出で止められる(1)
牢獄から解放された翌朝──
アルフレッドは、王宮訓練庭園の中央で仁王立ちしていた。
「ほどほどの筋肉……! セリシーヌ嬢の隣で最も美しく見える筋肉……! それを……僕は極める!!」
すると、背後から執事長バルドが静かに現れた。
「殿下……ほどほどとは、どの程度を指すのでございましょう?」
アルフレッドは胸を張った。
「わからない!!」
バルドは額を押さえた。
「殿下……方向性が迷子でございます」
そこへ侍女たちが駆け込んできた。
「殿下!! ほどほどの筋肉って……どうやって作るんですか!?」
「私たち、殿下の肩幅の変化に毎日泣いてるんです!!」
アルフレッドは拳を握る。
「僕も泣いてる!!」
侍女たちは泣いた。
「殿下ぁあああああああああっ!!」
アルフレッドが呻り、侍女たちがシクシク泣き……。
執事のバルトが額を押さえていると、近衛隊長グラディウスが歩いてきた。
「殿下。筋肉の《《ほどほど》》とは、軍事的には存在しません」
「えっ!?」
「筋肉はつけるか、つけないかの二択です! 中途半端は戦場で死にます」
「死ぬの!? ほどほどって死ぬの!?」
グラディウスは真顔で頷いた。
「ほどほどの筋肉は、最も危険です」
アルフレッドは震えた。
「セリシーヌ嬢……僕は危険な方向性を……」
侍女たちは叫んだ。
「殿下!! 方向性が危険!!」
彼女たちが叫ぶと。




