第39.5話 肩幅強調マント完成! 王子、芸術的肩幅で王宮を歩き回る!(1)
王宮・衣装工房──
美術班と衣装班が総出で作った《《肩幅強調マント》》が、ついに完成した。
「殿下……こちらが、あなた専用の《《肩幅強調マント》》でございます」
執事長バルドが、厳かに布を広げた。
そこには──
肩幅を最大限に美しく見せるためだけに設計された、謎の黄金比マント
があった。
肩の部分だけ異様に立体的で、背中には王家の紋章が浮き彫りになり、
裾には美術班の画家が描いた《《肩幅の神》》の絵が刻まれている。
僕は震えた。
「肩幅の神って何ぃいいいっ!!」
画家は真剣に言った。
「殿下の肩幅は……神の領域なのです」
侍女たちは泣きながら叫んだ。
「殿下!! 肩幅が宗教になってる!!」
◆王子、肩幅強調マントを装着する
執事長がマントを肩にかけた瞬間──
《バサァアアアッ!!》
肩幅が……
肩幅が……
2倍に見える。
侍女たちは叫んだ。
「殿下!! 肩幅が……広がっています!!」
「殿下!! 歩くだけで風が起きています!!」
近衛隊長は震えた。
「殿下……その肩幅……軍事的に最強です」
侍医は叫んだ。
「殿下!! 肩幅が医学的に限界突破してます!!」
アルフレッドは胸を押さえた。
「セリシーヌ嬢……! 僕は……あなたのために……肩幅を……!」
◆王子、王宮を歩き回る
アルフレッド王子は肩幅強調マントを羽織り、王宮の廊下を歩いた。
《バサァアアッ……!》
歩くたびに、マントが風を巻き起こす。
侍女たちは壁に押し付けられた。
「殿下!! 風圧が!!」
「肩幅の風圧で調度品が倒れてる!!」
近衛騎士たちは叫んだ。
「殿下!! 肩幅が通路を塞いでます!!」
「殿下!! 肩幅が扉に引っかかってます!!」
アルフレッドは涙目で叫んだ。
「肩幅が……大きすぎるぅうううっ!!」
執事長は静かに言った。
「殿下……芸術とは時に不便なのです」
「そうか……」
「はい」
アルフレッドが落胆して、下を向いていると。
そこへセリシーヌ嬢が登場!
王宮大広間──
セリシーヌ嬢が優雅に歩いてきた。
金糸の髪が揺れ、宝石の瞳がアルフレッドを射抜く。
「殿下……その肩幅は何ですの?」
アルフレッドは胸を張った。
「セリシーヌ嬢!! あなたのために……芸術的な肩幅を……!」
セリシーヌ嬢はゆっくりと近づき──




