第29話 忠犬二匹の魔道庁潜入騒動!(2)
ガルディオは涙目で言った。
「セリシーヌさま……こんな危険な場所で訓練してるのか……」
ルファードは拳を握った。
「絶対に助ける……!」
二人は排水路を進み始めた。
痩せ型忠犬たちの潜入ルート③
【魔道庁の裏階段】
排水路を抜けると──古い石造りの階段が現れた。
ガルディオは息を呑んだ。
「ここ、魔道庁の裏階段だ……!」
ルファードは震えた。
「訓練区画に繋がってるはず……!」
筋肉王子は排水路の入口で叫んだ。
「僕も行きたい!!」
忠犬二匹は叫んだ。
「「絶対に無理!!」」
王子は涙目で拳を握った。
「セリシーヌ嬢ぅうううっ!! 僕の筋肉が……地下に行けないなんて……!!」
忠犬二匹は階段を駆け上がった。
地下訓練区画──侵入者接近の警報!
訓練区画の天井に、淡い光が走った。
『侵入者接近──侵入者接近』
セリシーヌは青ざめた。
「……来ましたわね……」
オルフェンは黒曜の瞳を細めた。
「通風孔から排水路を抜けて裏階段……。そんなルートを使える者など、王宮にほとんどいない」
セリシーヌは頭を抱えた。
「……痩せ型忠犬たちですわね……」
オルフェンは深いため息をついた。
「君の忠犬たちは……魔道庁の警備を突破したのか……?」
「痩せ型ですから……狭いところが得意ですの」
「得意の問題ではない」
オルフェンは静かに言った。
「第三試験は中断だ……侵入者を捕獲する」
セリシーヌは青ざめた。
「……お願いですから、優しく捕まえてくださいませ……。あの子たち、繊細ですの……」
オルフェンは黒曜の瞳を細めた。
「繊細な侵入者など聞いたことがない」
痩せ型忠犬たち、訓練区画の扉前に到達した。
裏階段を駆け上がった忠犬二匹は──ついに訓練区画の裏扉に到達した。
ガルディオは息を切らしながら叫んだ。
「セリシーヌさま!! 助けに来ました!!」
ルファードは涙目で叫んだ。
「補習授業なんて嘘ですよね!! 危険な訓練してるんですよね!!」
二人は扉を叩いた。
《ドンドンドンッ!!》
「「開けてください!!」」
地下訓練区画……。オルフェンは静かに決断を下す……
そしてオルフェンは静かに呟いた。
「……捕獲する」
セリシーヌは叫んだ。
「優しくですわよ!!」
オルフェンは黒曜の魔力を展開した。
《《黒曜捕縛陣・展開》》──
忠犬二匹の足元に魔法陣が広がり──二人はふわりと宙に浮いた。
ガルディオは叫んだ。
「うわぁあああああああああっ!」
ルファードは涙目で叫んだ。
「セリシーヌさまぁああああああっ!」
セリシーヌは頭を抱えた。
(……また面倒なことになりましたわね……)
◇◇◇




