第27話 忠犬二匹の魔道庁潜入騒動!
扉をこじ開けようとする痩せ型の忠犬ですわ~!
そう、魔道庁・地下訓練区画の重厚な扉は、王宮でも最高級の魔力封印が施された《《絶対防御扉》》……
その扉が──
《ガンッ!!》
《ガンガンッ!!》
外側から揺さぶられていた。
セリシーヌは青ざめた。
(……あの音……絶対に忠犬たちですわね……)
オルフェンは眉をひそめる。
「この扉を揺らせる者など、王宮にほとんどいない……。君の知り合いか?」
「……ええ、痩せ型の……忠犬たちですわ」
「忠犬……?」
オルフェンは、首を傾げるが、セリシーヌ嬢は、『悪役令嬢ですわ~』とかわったことばかり呟くから、彼は理解を放棄したようだ。
そして、音の鳴る扉を見つめる。
そんな扉の地上側──扉の前の痩せ型騒動……。魔道庁の入口前……
ガルディオとルファードは、巨大な扉を前に震えていた。
「ここ……王宮の地下だよな……?」
「絶対……セリシーヌさまがここにいる……!」
「補習授業なんて嘘だ……!」
「セリシーヌさまは、絶対に危険な訓練をしてる……!」
二人は涙目で叫んだ。
「「助けなきゃ!!」」
そして二人は──痩せ型の腕で、重厚な扉を押し始めた。
《ギギギギ……》
(全く動かない)
ガルディオは震えた。
「……び、びくともしない……」
ルファードは歯を食いしばった。
「僕たちの腕力じゃ……無理だ……!」
「じゃ、僕が、攻撃魔法を発動してみよう……。そうすれば、扉を開けるではなく、破壊できるかも?」
ガルディオがルファードへと説明をする。
そのとき──
「任せてください!!」
筋肉王子が登場した。
筋肉王子、参戦──
アルフレッド王子は胸板を揺らしながら叫んだ。
「セリシーヌ嬢が地下にいると聞いて……!! 僕の筋肉で守らなければ……!!」
忠犬二匹は叫んだ。
「方向性が違う!!」
「違う!!」
王子は扉に手をかけた。
「僕の筋肉なら……開けられるはずだ!!」
《ガンッ!!》
《ガガガガッ!!》
さすが、セリシーヌ嬢が、頷くだけはある。彼の馬鹿力で、扉は揺れた。
忠犬二匹は震えた。
「揺れた!!」
「筋肉で揺れた!!」
王子は涙目で叫んだ。
「セリシーヌ嬢ぅぅぅ!! 僕が助けますからぁぁぁ!!」
そして中の地下訓練区画──揺れる扉……
《ガンッ!! ガガガガッ!!》
セリシーヌは頭を抱えた。
「……筋肉王子まで来ましたわね……」
オルフェンは深いため息をついた。
「君の周囲は……どうしてこうも騒がしいのだ?」
「私にもわかりませんわ……」
オルフェンは黒曜の瞳を細めた。
「このままでは扉が壊れる……。魔道庁の扉を壊されれば、王宮の機密が漏れる」
セリシーヌは青ざめた。
「……止めに行きますわ」
オルフェンは首を振った。
「いや、君は訓練を続けろ! 侵入者の対処は──魔道庁の仕事だ!」
そう言うと、オルフェンは手をかざした。
「《《黒曜封印陣》》展開!」
扉の前に黒い魔法陣が広がり、外側の揺れがピタリと止まった。
セリシーヌは目を丸くした。
「……すごいですわね」
「当然だ。魔道庁副院長は、王宮の影を守る者だ」
オルフェンは静かに続けた。
「君は第三試験に集中しろ! 魔力の形を維持する訓練だ!」
セリシーヌは頷いた。
(……忠犬たちと筋肉王子は、後で怒りますわね……。でも今は、訓練が優先ですわ)
セリシーヌが不満を漏らしつつも、第三試験に集中している最中……地上側──封印陣に阻まれる忠犬たちは扉の前……
ガルディオは震えた。
「……扉が……急に動かなくなった……」
ルファードは叫んだ。
「魔法封印だ!! セリシーヌさまが危険な訓練をしてる証拠だ!!」
王子は涙目で拳を握った。
「セリシーヌ嬢ぅうううっ!! 僕の筋肉が……届かない……!!」
三人は同時に叫んだ。
「「「絶対に助け出す!!」」」
──魔道庁潜入騒動は、さらに悪化する未来へ。
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