第21話 セリシーヌ十三歳、魔法剣バレましたわ編!(2)
オルフェンは静かに告げた。
「十三歳だからこそだ……。この魔力の質は……放置すれば暴走する……。少し前の光も……。魔力暴走の兆候だ」
セリシーヌは目を丸くした。
(……暴走? 私の魔力が?)
オルフェンは続けた。
「君の魔力は……《《肥大化》》している……。体内の魔力量が、年齢に対して異常に多い……。このままでは、魔力が剣に入りすぎて……剣が折れるか、君の体が壊れる」
伯爵は青ざめた。
「セリシーヌ……!」
セリシーヌは静かに息を吸った。
(……そう。私は《《ふくよか》》な体質だから、魔力も多いのね…… 悪役令嬢としての体質が、魔力まで肥大化させるなんて……)
オルフェンはセリシーヌを見つめた。
「君は……魔導院で正式に学ぶべきだ魔力の流し方を誤れば……君自身が危険だ」
セリシーヌはゆっくりと口を開いた。
「……わたくしが魔導院に入れば……庭園の痩せ型忠犬たちが騒ぎますわ」
「忠犬……?」
オルフェンは眉をひそめた。
伯爵は頭を抱えた。
「……説明は後でします……」
◇◇◇
セリシーヌは魔道院の入学を迫られ、決断をしなくてはいけない状態に堕ちいっている。
セリシーヌは剣を握りしめた。
(……魔力が暴走するなら……私は、もっと強くならなければならない。悪役令嬢としての《《ざまぁイベント》》をこなし、楽しむためにも…… 魔法剣は必須だわ……)
そして──
「……わかりましたわ……。私、魔導院に入ります」
会議室がざわついた。
オルフェンは静かに微笑んだ。
「セリシーヌ嬢、賢明な判断だ……。君の魔力は……放置すれば王宮を揺るがす……。だが、正しく扱えば──王宮を守る力になる」
セリシーヌは胸を張った。
「わたくしは……。天下無双の悪役令嬢になる者ですから、王宮を揺るがすくらい、当然ですわ」
伯爵は叫んだ。
「揺るがすな!!」
この場にいる者たちは、オルフェン以外は皆、目が点になる。
そして痩せ型忠犬たちが騒ぐ未来へと……この決断が、後に……
痩せ型忠犬二匹+筋肉王子+新キャラ魔導院副院長 というカオスな構図をさらに悪化させることを……セリシーヌはまだ知らない。
(……魔導院に入ったら、また忠犬が増えるのではなくて?)
そう思いながら、セリシーヌは深いため息をついた。
◇◇◇




