表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ぽっちゃり令嬢は美男子を逆指名する〜前世でデブと罵られた私、美の基準がバグった異世界で無自覚に男たちを狂わせる悪役令嬢になりました〜  作者: かず斉入道
第1章 悪役令嬢に転生出来ましたわ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/115

第14話 アルフレッド王子、恋愛度MAXの報せに震える! そして彼も暴走する!

 翌朝の王宮は、妙な熱気に包まれていた。


 侍女たちがひそひそと囁き合い、騎士たちがざわつき、文官たちまで落ち着かない。


「聞いた? ガルディオさま、恋愛度がMAXらしいわよ……」

「セリシーヌ嬢に本気みたい……」

「痩せ型忠犬同盟の片方が、ついに……!」


 その噂は、当然のように──最も聞いてはいけない人物の耳へ届いた。


 そう、アルフレッド王子である。



 ◇◇◇



「……な、な、な……なにぃいいいいいいっ!?」


 王子の絶叫が、王宮の廊下に響き渡った。


 側近が慌てて駆け寄る。


「王子!? どうされました!? またスープをこぼされましたか!?」


「違う!! もっと重大だ!!」


 王子は震える手で、侍女(親衛隊)から聞いた噂を指さした。


「ガルディオの恋愛度が……MAXになったらしい……!!」


 側近は固まった!


「……MAX、ですか」


「そうだ!! MAXだ!! 恋愛度が!! MAXだ!!」


 王子は頭を抱え、床に崩れ落ちた。


「どうしてだ……!? どうして痩せ型の男ばかり……。セリシーヌ嬢に懐くんだ……!? 僕は……太りたいのに太れないし……剣も魔法もできないし……!!」


 側近は、そっと王子の肩に手を置いた。


「……王子、まずはスープを飲みましょう」


「スープじゃ嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 王子は床を叩いた。


「僕だって……! 僕だって……セリシーヌ嬢に褒められたいんだ……!! なのに……ガルディオは恋愛度MAXで……ルファードは罵倒で喜んで……!! 彼女の婚約者である、僕だけ何もないじゃないかぁあああっ!!」


 側近は泣きそうな顔で王子を見つめた。


「……王子、落ち着いてください。恋愛度MAXは……その……乙女ゲーム(男女の恋仲ゲーム)的な概念でして……」


「僕にも恋愛度をくれぇえええええええええっ!!」


 王子は立ち上がった。


 そして、拳を握りしめた。


「決めた!」


 側近は嫌な予感を覚えた。


「……王子、何を?」


「僕も恋愛物語のような……セリシーヌ嬢との恋愛イベントを起こす!」


「やめてください!!」


「やる!! 絶対にやる!! ガルディオが恋愛度MAXなら……僕はその上を行く!! 恋愛度……ウルトラMAXだ!!」


「そんな概念はありません!!」


 王子は胸を張った。


「まずは……セリシーヌ嬢の前で、僕の努力を見せる!! 剣も魔法もできないなら……太る!! 太れないなら……太る努力を見せる!! 太る努力が見せられないなら……太る意思を見せる!!」


「意思だけでは太れません!!」


 しかし王子は止まらない。


「よし!! セリシーヌ嬢のもとへ行く!! 僕の恋愛イベントを発生させるんだ!!」


「王子ーーー!! やめてくださーーーい!!」


 側近の叫びを無視し、王子は走り出した。



 ◇◇◇



 そのころ──


 セリシーヌは庭園で、静かにお茶を飲んでいた。


(……今日こそ静かに過ごしたいわ)


 そう思っていたのに──


 その願いは、当然のように叶わない。


 なぜなら。


「セリシーヌ嬢ぉおおおおおおおおおっ!!」


 少女の婚約者の、金髪碧眼の王子が、全力で走ってきた。


 セリシーヌはお茶を吹きかけた。


「……はぁ!? なんであなたが走ってくるのよ!!」


 王子は息を切らしながら叫んだ。


「僕は!! あなたのために!! 恋愛イベントを起こしに来ました!!」


「帰れ!!」


 セリシーヌの叫びが庭園に響いた。


 しかし──


 王子は止まらない。


「ガルディオが恋愛度MAXになったと聞きました!! 僕はあなたの婚約者だ!! だから僕は、あなたに褒められたいんです!! あなたのために!! 太りたいんです!!」


「太りたいって叫ぶ王子は嫌よ!!」


 そこへ──


「セリシーヌさまぁあああああああっ!」


「セリシーヌさまっ……!」


 痩せ型忠犬同盟の二人が走ってきた。


 王子は震えた。


「なんでだ……!? なんで痩せ型の男ばかり……。セリシーヌ嬢に懐くんだ……!? 僕は……太れないのに……!!」


 セリシーヌは頭を抱えた。


(……もう帰りたい)


 庭園は、痩せ型忠犬二匹と、太れない王子と、悪役令嬢志望のお嬢さまが入り乱れ──この場が完全にカオスと化した。



 ◇◇◇


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ