第99話 痩せ姫の護衛騎士、揺らぐ忠誠! 三角関係と魔導院の陰謀!(5)
レオンの瞳が揺れた。
(……エミリーさまは禁断魔法に頼っている。しかしセリシーヌ嬢は、自分の肉体を誇り、魔力を磨いている……。どちらが本当に美しいのか……)
その瞬間──
レオンの心が、わずかにセリシーヌへ傾いた。
痩せ姫エミリーの護衛騎士が、悪役令嬢セリシーヌへと興味を抱き始めた瞬間だった。
セリシーヌはその変化を見逃さない。
(……三角関係の火花が、ついに立ちましたわね)
扇を軽く揺らし、彼女は黒衣の魔導士たちへと魔道庁の《《臨時協力魔導師》らしく、威風堂々と告げた。
「王都魔導院の偽研究──。この私が暴いて差し上げますわ! 学園を支配しようとするその陰謀も、すべて」
レオンは息を呑んだ。
「……セリシーヌ嬢! あなたは……魔導院を敵に回す気か?」
「ええ……。痩せ姫殿のためにも、ですわ」
レオンの瞳が大きく揺れた。
(……この人は……敵でありながら……。エミリーさまのことも救おうとしている……?)
セリシーヌは微笑む。
「痩せ姫さまは、禁断魔法で身体を壊しますわ……。その時──わたくしがどう動くか、楽しみにしていてくださいませ」
レオンはその言葉に、胸の奥が熱くなるのを感じた。
(……セリシーヌ嬢……。あなたは……危険で、美しい……)
庭園の空気は、恋愛と陰謀の火花で熱を帯びていた。
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