30間児 裕赦(12)
「そろそろ寝るか…」
ラズリが覚悟しててねなんて言ったから寝るのが少し怖いが寝なかったら血を無駄に流しただけになる。仕方ない寝るか。こんな覚悟してベッドにつくのは初めてだ。
ベッドに着いた瞬間に寝てしまったらしい。意識も感覚もハッキリしているのに自由に動けない。いま僕は同年代の吸血鬼とドランと共に凸凹した真っ白な廊下を走っていた。あちこちで戦闘音が聞こえる。ドランが廊下の先のドアを蹴り破ったらそこには二人の竜人の男女が横たわっていた。男は女の人に心臓を刺されながらもその人を抱きかかえていた。女の人は体の所々に機械を埋め込まれていた。倒れていた男女を両手に抱えてドランが泣き崩れていた。黙って様子を見ていると隣の吸血鬼が白衣の人間に刺された。
夢はここで終わって朝6時ちょうどに目が覚めた。
「こんなの…どう変えろっていうんだ…」
朝から絶望的な気分になっている。持っている情報が足りない。でも何もしなかったら確実にこの夢が現実になる。確かわからかったら島まで泳げとラズリが言っていたな。あの距離は息を吸わなくとも少々遠いな…でも今はそんな事言っていられない。急いで行かないと。
「春香!またちょっと旅に出る必要がありそうだ!」
「ええ!先週帰って来たばかりじゃない!なんで?」
「友達を助けに行く!ギルマスにもよろしく伝えておいてくれ!」
「今から行くの?急すぎない?」
「善は急げだ!間に合わなくなったら困るんだよ!」
「ちゃんと連絡取ってくれる?」
「無理そうだけどなるべく!」
「ハァ…いってらっしゃい。」
「あぁ!いってきます!」
その後観光船より早いペースで5時間掛けて島まで泳いだ。
「何者だ貴様!許可なく入国してはいけない事を知らんのか!」
忘れてました。はい。




