25間児 裕赦(11)
「これらは四種の神器と友情の服です。」
「その珍妙な格好は何だ?」という質問に真顔で答えた自分に若干引いている。現にギルマスは次にどう聞くか悩んでいる。
「四種とはどの四種だ?」
「ラズリちゃんバッグ、ラズリのヘッドセット、クロノアグローブと春香から貰ったペンダントです。」
ギルマスの隣に立っている春香が微妙な顔をした。変なこと言ったつもりはないのにな。
「なぜペンダントが混じっている?」
「失礼な!凄く大事なペンダントなんだぞ!春香に謝れ!」
「いやお前が謝れよ…」
「ええ!?何で!」
ギルマスが頭を抱えてしまった。本当に謝った方がいいのかも知れない。
「春香!僕はこの旅で人の心が如何にわかりずらいか、わかりあうのが如何に難しいかを知った!今は僕の何が君を傷つけたか知らないけど、理由をわかった日には絶対に謝るから!」
「うん…期待しないで待っているよ。」
「約束だからな!」
ギルマスは一つ溜息をついた
「まぁお前も大分変わったな…」
「わかりますか?もう逃げてばかりの僕じゃないんですよ!春香の事も!後輩達も今度こそ絶対に守って見せます!」
「「…」」
「あれ?どうしたんですか?」
「たくましくなったな…本当にちゃんと修行してきたみたいだ…」
「みんなユウの事本当に心配だったんだよ?ブラッディサイスの人に攫われたかもしれないって…ゔ…」
「春香!?」
「お前行方不明リストに載った上に春香が吸血鬼の真祖のところにまで泣きながら訴えたんだぜ?」
「え?」
真祖さんここにでも被害者に…って僕のせいか…
「近くにいたら絶対に気付くと思ったんだが…何処に行ってたんだ?」
「霧の山とかライラとか火山とか…」
「おい適当に言ってるんじゃないよな?」
「ライラって天国の意味だよ?」
「ええ!?いや本当に行ったんですよ!?雲の上の国ライラ!」
「はぁ…マジみたいだな…ライラにいる親友が地上から人間の英雄が飛んできたって言っていたんだ。」
「ええ!ユウ飛んだの!」
「うん…ラズリちゃんバッグで…」
「「…」」
その時遠くから悲鳴が聞こえてきた。
「ギルマス!外の様子を見てきていいですか?」
「?別にいいが…」
ギルドを出て建物の壁と壁を伝って走る、人混みの逃げていく方向と逆方向に向かって走るといつもギルドで新人いじめする同期達が二体のAランクモンスターから逃げようとするのを見つけた。子供を盾に使おうとしているがどちらにしろ間に合わない。僕は拳で一体のモンスターを殴りつけた、森の方まで吹っ飛んでいった。二体目は頭上から殴りつけた、モンスターは歪に変形してその場で溶けて消えた、だが勢いで地面ごと割ってしまったから地面の小石が吹き飛んで子供の皮膚に掠った。もっと上手く守れたんじゃないのか?後で三人に聞いてみよう。
「大丈夫かい?」
「うん!ありがとう!お兄さん!」
「親御さんは?」
「はぐれちゃったんだ。」
「じゃあまずギルドにいくか。」
「うん!」
周囲の喧噪を無視して男の子を連れてギルドへ向かう。
その時僕はまだ知らなかった。既に色んな場所で僕の英雄譚が語り継がれるていた事を。




