23間児 裕赦(10)
「元気でねー!」
試練が終わって帰りの船に乗ったらドランが見送りに来てくれた。しばらくして姿が見えなくなった後にラズリに聞いてみる。
「最初に怪物に奪われた物、返してくれませんか?」
「流石に裕赦君に気付かれちゃったか…どこまで知ったの?」
「あなた達は怪物の知りえる情報を全て知っていました。試練やその道中が出てきたのも全て怪物だったし試練の為に怪物を用意できるという事自体不思議な事だったんです。」
「他にも何か気付くきっかけはあった?」
「まず最初に出会った時あなたは僕に世間では浄化の花と呼ばれていると言ってこの花を渡してきましたね。その言い方からすればこの花にはちゃんとした名称があり浄化の花なんかじゃないという事になります。そしてそれを知っているとなると世間よりもっとこの花の事を知っているという事になります。」
「うん。」
「僕がこの花を握っていた時、三人は何故か緊張していました、何かこの花に僕に知られては不都合になる事があったのではないですか?」
「それは後で答えるよ。もっと何かない?」
「ラズリは僕に言いましたよね?『その花は…あくまで危なくなった時の為だから』と。つまりラズリは遠距離からこの花を媒介に何かを出来たわけだ。その何かが監視やテレパシー以外にもあるわけですね?」
「うん。そうだよ。」
「気まずい質問を聞いていいですか?」
「どうぞ?」
「世の中の怪物はラズリ…全て君が操っているのかい?」
「60点の回答だね。」
「どういう事なんですか?」
「ラズリはその気になれば世界中の怪物を操る事ができるけどね?基本は制限をかけてオートモードで放置してるんだ。」
「どういう…」
「世界には仮想敵が必要ってことだよ。」
「…」
「はいどうぞ」と言われて怪物に奪われていた物を返してもらった。
「それとね、花の秘密は言えない部分は言えないけどね、緊張していたのはただ裕赦君が花の秘密に気を取られて試練に集中出来なかったらどうしようって思ってただけだよ?」
「それで…納得しないとだめなんですか?」
「今はそれしか言わないよ。裕赦君がもう少し強くなったらこの世界のシステムについて教えてあげる。そうしたらもう少しモンスターについてわかってくる事があるよ。」
ラズリは夕日に照らされていつもとはどこか違う笑顔で答えた後、船の中に入る手前でぴたりと止まり振り返ってきて言った。
「その花の名前はプロトンというんだよ。未来その名前が必要になるから憶えていてあげてね!」




