22間児 裕赦(9)
「本当ですか?」
「ええ。その方がロマンがあるもの。」
元々ユリアさんが僕に準備したのは王家のネックレスだった。状態異常と精神作用系攻撃、幻覚などを全て無効にする上精神強化までしてくれる物だが僕にはもう春香からのペンダントがあるからという事で能力だけペンダントに付けてくれることになった。
「能力の移し替えには時間がかかるわ。その前にあなたとケリをつけようと思うの。サシで戦う約束を憶えてるかしら?」
「あぁ…そうだったな…」
感動の雰囲気から一変して殺伐とした雰囲気になった。そういえばユリアさん怒っていたな…
「ルールは簡単。戦って負けを認めた方の負け。」
やって来たのは火山の隣にあるマグマの流れている広場だ。結果から言うとドランの負け。
優雅に椅子に座って紅茶を飲んでいるユリアさんは5分に一回「自分を傷つけなさい。」と言って椅子から動かなかった。対するドランはいくら切っても殴ってもユリアさんどころが椅子やティーカップにすら攻撃が当たらずすり抜けてしまう。
最後に到頭ドランは諦めて負けを認めた。
「ペンダントへの能力の移し替えが終わったよ!」
「ありがとうございます!」
「俺からもこれやるよ。」
「え?この服についてるのは竜のうろこ?」
「ああ、昔親に黙って服を作ってみたんだ、そしたらすぐにばれて滅茶苦茶怒られたんだ…竜のうろこを服にしたら貴族に目を付けられて竜人狩りに襲われてしまうって…でも折角痛い思いしてでも作ったんだ。本当は吸血鬼の親友に渡したかったけどユリアさんと戦って気が変わった。きっとあいつもそれぐらい強くなったらいらないだろう。危険な目に遭わせたし友情の証としてやるよ。」
「…ありがとう!ドラン!大事にするよ!」
「実は私少し気になっていたのだけれど…あなたの吸血鬼の親友ってどなたかしら?吸血鬼にとって手足がちぎれるケガがたった一日で治すなんて吸血鬼でも難しいことよ?」
「そうか?暁の奴一応自分は真祖だと言ってたからな、真祖が何なのかはわからん吸血鬼の中でも地位が高くて強いらしいぞ?」
「「「…」」」
「あれ?どうしたんですか?みんな固まってしまって。」
「何でもないよ…あははは…」
「ラズリ帰ったらお兄さんいい子いい子する。」
「ええそうね…たまには少し慰めてあげましょう。」
知り合いだったらしい。手を合わせておこう。




