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サキュバスの冒険  作者: みーたーなー
25/43

18間児 裕赦(5)

「こんなところにギルドがあるんだ…」


五回ぐらい落ちたけど何とか雲の上の国ライラに着いた。はっきり言って着くまで雲の上に乗れるかさえ半信半疑だったしましてや国やギルドがあり花まで咲いている事自体信じていなかった。そしてここに人間が来たのは実に300年も前の話だったらしい、それも魔王を倒した勇者パーティーの一人だったとか。


当然騒がれた、三人もこの事を知らなかった様で

「第三勢力の歴史は奥が深いな…」とか

「もう勇者パーティーどころが勇者本人だという事を知らしめなさい。」など「裕赦君凄いねー!もっと伝説を残してきてもいいんだよ?」とやら言いたい放題言った後怪物退治を任されまくった僕を嬉々として観察していた。


結局三日間大事そうな依頼を引き受けた後僕は改めてクロノアさんの元へと向かった。


「来たな!まずS+の怪物を素手で倒してみろ。」

「はい?」

「俺のゴリ押しの技術を受け継ぐんだ。武器なんて頼ってないで素手でいけ!」

「…」


いやいやいやいやおかしいでしょ?それ!ゴリ押しにもほどがあるって!


「やれ。」

「…はい。」

「何とかやったのか…」


手がボロボロだ、傷薬を使い切ってしまった。残るはダークネス第一号という飲むのに戸惑う名称を付けられた真っ黒い液体。でも素手で伝説レベルの怪物を倒したとなると不思議と気分が高まる、僕は伝説に残る脳筋になれるかもしれない。


「そして今度こそ俺の最終試練だ、素手であの山を一撃で真っ二つにしろ。」

「はい?」

「大丈夫だ、あれはホログラムだから殴っても痛くないし他の種族を傷つける心配はない。」

「いやそれもだけどそれだけじゃ…」

「なにを悩んでいる?上には上がある事は今まで散々見てきただろ?」

「はい…そうですね。」

「でもその前に一つヒントだ。」

「はい!」

「生物の体内には魔力以外にも気という物がある。」

「え?」

「それも使わないと一撃で真っ二つにするとかお前にはまだできないぞ?」

「まじですか…」

今回の試練は15日も掛けた、もちろん途中で色々助言をくれたしラズリの言っていた歌での応援で驚く勢いで気の使い方や魔力と気を混ぜて使う方法をマスターし、色々試行錯誤を繰り返したがそれでも本当に試練の内容をクリアするのは想像以上の難易度だった。


「お疲れ様だな!いやー本当に強くなったよお前!」

「ありがとうございます。」

「俺からのプレゼントはクロノアグローブだ。」


そしてオープンフィンガー・グローブを渡された。早速着けてみる。


「付けたら十倍力が湧いてくる上に一日一回致命傷を受けても死なないという有難い能力の付いたグローブだぞ。」

「へぇ…」


黒くてかっこいい…思わず見惚れてしまった。


「でもこれで終わりじゃないからな!最後はユリアの試練だ。」

「まだあるんですよね?今度はどんな突拍子もない内容になるんですか?」

「突拍子ないとは失礼ね、それより早く降りてくれるかしら?」

「ラズリのバッグを使って降りるのは禁止だよー!」

「え?ここから火山の麓に落ちるんですか?」

「うん。」

「パラシュートもバッグの力もなしで?海に落ちるというのもなし?」

「そうだな!」

「ここから落ちるのに8㎞以上はなれてませんかね?」

「正確には15.4㎞あるわね。」

「成層圏いってるじゃないですか…何で雲があるんですか?」

「普通の雲が乗れると思って?そこは昔天魔族が作った楽園よ。後から他の種族も招き入れるために空気を人工的に取り入れたとも本に記されてるわ。」

「知らなかったのに来たのか?」

「いやー…三人と一緒に喋っているといまいち気にしなかったというか世界は広いなー程度にしか…」

「裕赦くん面白いねー!」

「ハハハ、ラズリさんにそんな事言われる日が来るなんて思わなかったよ。」


四人である程度笑った後そろそろ本題に戻る。


「グローブはちゃんと着けたよな?」

「はい。」

「ライオンは我が子を崖の下まで突き落とし這い上がった子を育てるんだよ!」

「火山の上まで這い上がってちょうだい。」


僕とクロノアは仲良く崖の上まで歩いてきた。


「まぁ、がんばれよ。」

「はい!」


笑顔で返すと笑顔で崖から突き落とされた。


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