17間児 裕赦(4)
「嘘だろ…?」
「あら壮観な景色ね。」
「まぁどんまいってところかな?」
覚悟を決めてから10日間、色々学んでようやく山頂についたと思ったらSランクの怪物が五体いた、それに勝つのがラズリさんの試練らしい。今迄戦ってきてAランクの冒険者と互角に戦えるかもしれないと意気込んでいたらこれである。彼らは僕を本気で勇者にでもする気なのだろうか…
「これまでの授業の内容を思い出したら勝てるはずだよ!がんばって!」
「うわーーーー!」
「かでだ…」
作った樽の中に爆薬を詰め込んで転がし、爆発で土砂崩れを巻き起こして足場を崩して落としたり
体に火をつけて逃げまわったり
上手く躱して相討ちさせたり
長い戦いの末倒したりした
もう立てない…
「パンパカパーン!よくぞ試練をクリアしたな勇者よ!」
突然体中の傷が治ってさっきまでの疲れが嘘のように元気になった。
「試練クリアの報酬にラズリのヘッドセットをプレゼント!早速着けてみて!」
着けてみた。
「どう?」
「あれ?何か変な感じがします。」
「これを着けていると五感が鋭くなって考える速度が十万倍速くなるんだ!このボタンを押したり気絶したりしたらラズリの歌が流れて応援してあげられるよ!大丈夫!体への副作用はいっさいないから!」
何故に歌なのか気になるが多分何か意味があるんだろう、有難く受け取っておこう。
「じゃあ今度は雲の上に向かって!」
「は?」
「クロノア君が雲の上で待っているからこれからラズリがあげたバッグを使ってあっちの雲の上まで魔力を使って飛ぶの!」
「ええ?ごめんなさい!ヘッドセット使ってるせいで上手く聞き取れませんでした。」
ラズリさんは僕の言葉を無視して笑顔で崖際まで僕を引きずった
「ご健闘を祈っておりますわ。」
「気張ってこい!」
「ごー!」
崖から押し出された。
「嘘――――!?」
えっとえっと落ち着け!今は何月何日何曜日だっけ?そうだ忘れ物!忘れ物とかないかな?きれいな景色だな。人は何回まで生き返る事が出来るんだろ?
結構長い間混乱したと思ったら崖から1センチも離れてなかった。考える速度が十万倍速くなるとはこういう事らしい。どちらにしろラズリは引き返す事を許してくれそうにないのでもう飛ぶしかない。落ち着いて魔力のコントロールを始める。
「まだ維持する魔力が強すぎるよー!このままじゃ辿り着く前に落ちちゃう。」
「おい!今度は魔力が少なすぎるぞ!思いっ切り維持する魔力を減らすと体の負担になる、調整はゆっくり行え!」
「重心がなってなくてよ?そんなんじゃ戦闘で付け入れられるわ。」
「は…はい…」
本当によく見てるな、ラズリはともかく他の二人は何処から見てるんだろう?




