10チシル(2)
「誰ですか?」
すぐさまツインテールの子がキョトンとした顔で振り返ってきた、サキュバスって皆こんな美人なのかな、私はハーフエルフだからいままで結構自分が美人な方かなと思っていたけど…なんで自信なんてあったんだろう…次元が違うよ…
すぐさま隣の黒髪の子に目を向けるとこの人もかなり美人だったけどそれよりもでかい…何がとは言いたくないけど自分にエルフの血が流れている事を確信できるレベルででかい、吸血鬼はよく育つなんて聞いてないけどな…泣きそうだし逃げ出したいけど今はイサマキくんを止めないと。
「うわ!近くで見ると更に美人…じゃなくてその…えっと…」
まさか何を言うか考えてなかったのか!?
「ただのナンパか脅しじゃないよな?」
笑顔のままだけどかなりヤバい流れになってる…どうしよう…。
「ちが…名前だ!チーム名だ!お…お前らはその…悪い奴!その…悪役だな!正義の名に懸けて成敗してくれる!」
危険かもしれないから刺激するなと言った矢先に何もしてない相手を悪役に仕立て上げたー!終わった!私達終わった!何が正義だ!せめて親に残す遺書だけ書かせて…
三人はキョトンと目を合わせた。そりゃそうなるだろうな…
「あの、失礼ですがあなた方はいったい?」
拷問されるー!親族ごと巻き込まれるー!
「よ、よ、よ、よくぞ聞いてくれたな、いくぞお前ら!」
やけくそ気味に私達は朝まで練習していたチームの自己紹介を始めた
「危なくなったらイサマキとチシルを担いで逃げ切れる程の自信がある力のジャスティス―リキ!」
リキ…今担いで逃げてくれるかな…
「戦闘でいまいち役立つかどうかは不安だけど危なくなったら本で読んだ知識をつかって逃げ道を探したりします知識のジャスティス―チシル!」
探したりしても見つからない物は見つかりませんよ…はい…
「チームの危険に気づいたら真っ先に勇気ある撤退を勧める勇気のジャスティス―イサマキ!」
自分から突っ込んで行ったくせに…
「「「我らジャスティストリオ!ダークネストリオを成敗しに来た!」」」
やけくそですよ…はい…ギルドの中で気が早い人は既に十字切ったり手を合わせたりしている。
ポーズを決めながら色々と諦めていたらツインテールの女の子が笑顔で座席の上から飛び跳ねた
「ダークネストリオのアイドル!悪知恵サキュバスラズリちゃんだよー!」
これは自己紹介なのだろうか?
どう返事するか迷う前にいつの間にその子の隣にいた男の子がよくわからないポーズを決めて言った。
「…あぁ済まない…右手が疼いていて聞いてなかった…俺はダークネストリオ―ゴリ押しのクロノアだ!」
二つ名もゴリ押しだねなんて口が裂けても言えない…
同じくいつ隣に待機していたかわからない女の人が上品に微笑んだ
「頭が高いわよあなた方、私はダークネストリオ―悪役っぽい令嬢ユリアよ。」
…私は悪役っぽいって何とか恐怖とかを忘れて女の人の上品さに釘付けになった.
「「「ここで会ったが数千年目!覚悟は出来たかジャスティストリオ!」」」
え?闘うの?我に返ったらギルドマスターがやって来た
「あの…ギルドは遊び場じゃないですよ…」
と当たり前の事を言われてやんわりとギルドから追い出された
ちなみにダークネストリオの人達は「あら、御機嫌よう、念の為に言っておきますと私達は遊んでおりませんのよ?」とか「まさかここで第三勢力!?」とか「やーーーー!意地悪―!」などと言いたいことを言った後「「「こんなんで勝ったなどと思うなよ第三勢力―!」」」と言っておとなしく(?)追い出された
何だったんだろうとギルドの人達と喋っていたら翌日めげずに冒険者登録しに来た、シートに書いてある内容はそのままで…ギルドマスターと一悶着あった後内容を変える気はないし毎日来ると言ってとうとうギルドマスターが敗れた
「謎の第三勢力に勝ったぞー!」
「大変だったねー!」
「貴族に連敗は許されないのよ。」
いやいや大変だったのはギルマスでしょ…
「ジャスティストリオが結成してすぐにこんな強敵ができるなんて…」
「ダークネストリオ…油断できないな…」
いやあんた達も黙っててよ…




