左目
「ク、クアール!?
タユからの派遣者、最後の一人!」
クアールはゆっくりとオージュに近づいていった。
「お前、フィーアのこと何も分かっていないようだな…
いいだろう…
あのジラーハとかいうやつを材料に、フィーアバトルを見せてやる」
そういうとジラーハの元へ歩み寄った。
「おい、小僧…
ガキのくせにフィーアを持つなんてな、百年早いんだよ!!」
突然切り掛かって来たジラーハの太刀筋を目にも留まらぬ早さで交わし、手の平に集めた焔の球でジラーハに攻撃した。
「ぐふっ…」
地面を引きずられながら飛ばされたジラーハは、口から血を流しながら静かに立ち上がった。
「……。
どおやらオレを甘く見ているようだな…
本当の恐怖を教えてやろう…」
ジラーハの周りを、大小様々な石が浮遊する…
「いけ」
ジラーハの言葉と共に、浮遊していた石達がクアールに向かって高速で飛んで来た。
「うっ…」
避けきれなかったクアールに、複数の石がぶつかった。
「ちっ…
早いな…」
「ハハハ…
お前みたいな小僧が、私に敵うわけがなかろう」
ジラーハが叫ぶ。
「ならこっちも本気でやらせていただく」
クアールは、今度は手の平だけでなく右腕全体に焔を纏い、目を閉じた…
「なにをしている…
何もしないならこちらからいくぞ!
そりゃあ!」
「クアール!危ない!」
オージュが叫ぶ。
「フッ…
笑わせる」
そういってと焔を纏った右腕をジラーハにかざすと、
「はぁっ!!」
巨大な焔がジラーハを襲う。
「ぐ…
ぐあぁぁぁぁ…!」
ジラーハは焔に包まれ、苦しんでいる。
「お、おのれ…
小僧…。
クアールといったな…?
次はお前の命を頂きに行く…
それまでせいぜい怯えて待っていろ…」
そういうとジラーハは、リーダを呼びだしその場を立ち去っていった。
「勝手にしろ。」
クアールが呟いた。
「クアール!」
オージュが走り寄る。
「大丈夫か?クアール」
「見ただろ?
オレの焔、あいつの土を操る能力…
これがフィーアから得た力だ」
オージュが俯く。
「オレは…
ジラーハに“風のフィーア”の持ち主だと言われた…
だけど!
そんな物持っていないんだ!」
真剣に話すオージュの顔を見て、クアールが笑いはじめた。
「ハハハッ…
相当なバカとみた…」
「な、なにがおかしいんだ!?
オレは本当にそんなもの…」
「お前、鏡見たことあるか?」
「んなっ…
あるに決まってるよ!」
真剣に話すオージュに、クアールが差し出した。
「これがオレのフィーア…
焔のフィーアだ…
色は赤。
たしか、風は青だ。」
言い聞かせるように言う。
「だ、だからなんだよ?」
オージュが怒ったように答える。
「お前の目…
お前の目の色は何色だ?」
オージュは思い出した。
タユでのマイラの言葉を。
“オージュはなぜ瞳の色が青いんだろうねぇ?
それも左目だけ”
「え、、じゃ…
じゃあ、、
オレのフィーアは目玉なの!?」




