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風のフィーア  作者: TAI
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風のフィーア

朝の光が照らし出して、草木の露がキラキラと瞬いている。

イリアはタユやニニアと比べて気温が低く、少し肌寒かった。


「おい、オージュ。

起きろよ…」


何者かが肩を揺らす。


ゆっくりと目を開くと、そこには短髪の男がこちらを覗いている。


「お、リーベルトかぁ…

なんだよ?どしたの?」


目を擦りながら言った。


「ガイドさんが言ってた、タユからのもう一人の派遣者、クアールとかいうやつ今日到着するらしいぜ」

「ふうん…そうなんだ…

で、それで?」


「い、いや…

それだけだけどよ…」


オージュはリーベルトを睨みつけた。


朝食をすませた一行は、イリア軍大佐といわれる男に会いに行くことになった。

「たしか、今日はジラーハとかいう大佐に挨拶に行くんだよな?」


イリア名物、イリアキャンデーをくわえながらリーベルトが言った。


「ジラーハ大佐はイリア防衛軍のナンバー2と言われている人よ」


メリアが言った。


「さすがメリアさん、物知りですねー。」


「みなさん、送迎のバスが到着致しましたので」


そうガイドのランクが言いに来ると、みな乗り込んでいった。

ジラーハの屋敷には、広すぎて手の行き届かないような庭園があった。



「木が…泣いている…」


そう呟いたのはニアンであった。

「どーしたの?ニアン。突然木が泣いているだなんて。

立派な庭園じゃないか」


ミエルが言った。


「ほら、もう門に着いたぞ、ジラーハさんは恐い人みたいだから怒らせないように気をつけろよ、ミエル」

そういうとリーベルトは扉を開けた。


すると目の前に小さな老人が微笑みを浮かべて立っていた。

「ようこそいらっしゃいまし。

わたくし、ジラーハ様に仕えております、リーダと申します。以後、お見知り置きを」


そう軽く会釈をして、こちらへ、と言わんばかりに廊下を歩き始めた。


「なんかすげぇ屋敷だな…」


壁一面に飾られた名画、どこに目をやっても視界に入る立派な骨董品の数々。


「ジラーハ様はとてもアートを好む方でございます。皆様の目も、楽しませてくれることでしょう」


そういうとリーダは螺旋階段を昇り始めた。


「あ!あれは…」


ユリカが叫んだ。

「どうしました?お嬢さん」


「ニ、ニニアの遺跡で見た壁画そっくりだわ…」


とても驚いたように言うユリカに、リーダがこう言った。


「そうでしょうなぁ…。

だからこそ…

フフフッ…」


薄気味の悪い老人を、みな見つめた。


「さて…着きましたぞ…」

大きな扉の前でとまったリーダは、コンコン…と静かにノックした。

「リーダか…」


低い男性の声が響く。


「はい…

派遣隊の皆様をお連れ致しました」



「はいれ」


そう聞こえると、ゆっくりと扉があいた。


「どうぞ…」


リーダが誘導すると、一行は静かに部屋へと入っていった。


「派遣隊の諸君、長旅ご苦労だった。

思う存分、このイリアの街を楽しみ、文化を取り入れて頂きたい」


「はい」


メンバーが口々に返事をする。


「では、ジラーハ様はこれからお仕事がありますので…」


そう言うと部屋からでるよう促された。

部屋から出ようとすると、

「オージュ君…ちょっと…」

ジラーハ本人から呼び止められたオージュは、部屋に一人取り残された。


するとジラーハは、茶色の石を取り出し、オージュに近づけた。


「やはり…反応している…」


それはユリカの石と同じように、ジラーハの石は茶色に光り始めた。


「君…石を持っていないか?」


「い、いえ」


ジラーハはこう繰り返す。

「惚けてもダメだ。

この石はただ綺麗なだけではない…

君のような子供の持っていていい物ではない」

突然厳しい表情に変わったジラーハに、不信感を抱いたオージュはこう言った。


「持っていないものは、持っていません」


強くジラーハを睨み付けた。

すると突然、爆風が起きて、ジラーハの体が吹き飛んだ。


「え、な、なにが起きたんだ!?

大丈夫ですか?ジラーハさん!」


近づいて来たオージュに、


「やはり…お前は風のフィーアの持ち主…。

フィーアにはフィーアで捩伏せるしかないな」


そう言うとジラーハは床に手を当てた。

すると突然地震が起こり、屋敷はあっという間に倒壊してしまった。


「い…つっ…

なにが起きたんだ…」


オージュは、何とか瓦礫から抜け出した。


「ちょっ…何なのよ…これ」


ユリカ達メンバーも助かったようだ。


するとジラーハが瓦礫を吹き飛ばしその姿を現した。

「大人しくフィーアを渡すか…この瓦礫に落ち、命を落とすか…選ぶんだな」


オージュに言った。


「何度言えば分かるんですか!?

オレはそんな物持っていません!」


「まだ意地を張るのか…

いいだろう…

無理矢理奪うしかないのだな…」

そういうとジラーハは、大きな剣を持ち出し、力を入れ始めた。

見る見るうちに剣に石が纏われ、文字通り石剣と化した。


「我が愛剣リテウスの錆となって頂こう…」


そう言うとオージュに切り掛かって来た。


その瞬間。


大きな爆音と共に、辺り一面が熱気に包まれた。


オージュが目を懲らすと、一人の男が炎を纏い、ジラーハの剣を跳ね返していた。

「バカめ…

フィーアの使い方も分からないようなヤツだったとはな…」


「だ、誰だ!?」


ジラーハが叫んだ。


「オレはクアール…」

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