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風のフィーア  作者: TAI
7/11

繋がれし石

ユリカがオージュの部屋を訪ねて来たのは、もう1時間前になるだろう。

初めのうちはいつものようにテンションの高いユリカだったが、コーキが遊び疲れて眠ってしまうと、突然真剣な顔で話し始めた。


「ねぇ…オージュ。

あなた、フィーアを持っているのでしょう?」


「え?フィーア?

なにそれ?」


全くわけが分からないと言ったように答えた。


「惚けるんじゃないわよ?あたしの持ってるフィーアが反応してるんだから」


そういうと、胸元のペンダントを差し出した。

すると突然、それが淡く光り始めた…

「な、なにこれ?

これは…

まさか『繋がれし石』?」


“天空の世界・フィーアレンス”には、こう書かれている。

“ファウスは、『繋がれし石』を壁にはめ込んだ。

「これで…フィーアレンスへの道が…

え…?何も反応しない…。ん?他にも穴が…。

一つじゃだめなのか?」

ファウスは落胆した。

この石を一つ探すのにもこれほど苦労したというのに、他にも複数必要だというのだ”


「繋がれし石…まさか、本当の名前はフィーアというのか?」


「その通りよ。

それが、あなたに反応している…

どういうことだか分かる?」

「そんなこと言われても…オレはそんなもの持っていないし…

なぜ反応しているのか…」

混乱したオージュを見て、ユリカが聞いてきた。


「あなた、本当に持っていないの…?」


「うん、隠すつもりもないよ。

持っていたら、素直に言うし」


「じゃあ…

なぜあなたに反応するのかしら…」


困惑している。


「でも…まさかあの物語りにでてくる“繋がれし石”が、現実に存在しているとは…

君はどこまで知っているんだい?」


するとユリカは話し始めた。


「私がこの石を手に入れたのは、ニニアの遺跡よ…」

ユリカは、度々ニニア付近の遺跡を訪れていた。

遺跡に行く理由は、オージュ達とは違い、金目の物を手に入れるためであった。


遺跡では稀に金や銅が発見されている。

遺跡の入口には監視の者が数人いるが、目を盗んで侵入することくらい、ユリカにはたやすいことであった。


奥に進んでいるうち、通路に壁画が書かれていることに気付いた。


「なんなのよ、これ…

地上があって…

空の上に、また地上が…?」


その現実離れした壁画の世界にうす気味が悪くなったユリカは、通路を引き返すことにした。



何時間歩いただろうか…

何度も道が別れたのだが、覚えているはずもなく。

目茶苦茶に歩いて来た…


「はぁ…はぁっ…

ここ………どこよ…?」


疲れ果てたユリカは、下に尻餅を着いて座り込んでしまった。


「ん……?

なにかしら。」


何かを見つけたユリカは、そこへ這っていった。


「綺麗…な石…」


薄い緑色に輝くその石は、一瞬ユリカの心を救った。

すると突然、その石は緑色の光りを放ち、ユリカの手の平からゆっくりと浮遊し、フワフワと進んで行ってしまった。


「な、なにこれ…


でも、、ついていってみようかしら…」

それから1時間ほど歩いた。


「この石は何処へ行こうとしているのかしら…?

出口だったら有り難いけれど…


あ…

光だわ!」


その石は光るのをやめ、役目を終えたかのように下に転がった。


ユリカはその石を拾い上げると、遺跡から脱出した。


「それから私はその石について調べあげたわ。

そしてある文献を見つけだして分かったの。

あの壁画も含めて考えても、この石は“天空の世界・フィーアレンス”にたどり着くための鍵のような物、フィーアだということを」


オージュは興味深々と言った様子で話しを聞いていた。

「夢みたいだ…

フィーアレンスはお伽話じゃない。

イメリアの研究結果は間違っていなかった!」


真剣な表情は、子供の頃の無垢なオージュに戻っていた。


「でも…なぜ君はフィーアを探しているの?」


この問い掛けにユリカは微笑んだ。


「当たり前じゃない…

天空の世界を見つけだしたらそこは楽園よ?

本には自然と動物だけの世界と書かれていたわ。


イコール、人の手が触れていない土地なのよ。

情報料も含めて、発掘すれば資源が見つかる可能性大。

私は大金持ちよ!」


「………」


オージュは呆気にとられていた。

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