仲間
「え〜、わたくし、ここイリアでの派遣隊ガイドのランクと申します。
え〜、本日皆様にお泊り頂くのは、あのホテルになります」
派遣隊が宿泊するホテルは、イリア港に隣接するポピュラーな場所であった。
「ここが部屋だな」
リーベルトの部屋は、ニニアからのもう一人の派遣者、トーボとの相室であった。
「君がリーベルトかい、よろしく」
トーボは人辺りがよく、冷静な大人な印章だった。
「おっす、よろしく」
オージュの部屋は、タユからのコーキと一緒だった。
コーキは15歳だが、遺跡についてオージュと共に勉強する仲だ。
「オージュと同じ部屋かぁ、なら今夜は遺跡のお話しでもして過ごそうよ」
「うん、そだね」
二人は兄弟のような関係だ。
「あなたがユリカさん?」
「あ、あなたがメリアね?」
ユリカと言えば、あの船の上でオージュと話した女だ。
メリアは、タユで保育的な仕事をしていた。
19歳と、最年長であり、おねぇさんのような存在だ。
この部屋には、ニニアから双子の女の子が相室する。
「ユリカ〜、ここでいいのね?」
常に二人組で行動するフアとトアだ。
「これは…
タユにはない花…
ラバ…」
「はろ〜、そこの引きこもりがちなきみぃ〜、名はニアンでいいのかな?」
「そ…。」
ニアンはタユの出身。
植物の研究をしており、無口な性格。
ニアンと相部屋は、ご察しの通りミエレ。
……心配である。
部屋構成は複雑であり、名前など混乱する可能性もあるが、読んでいるうちに把握していくであろう(多分)
「え〜と、もう一人、タユからクアールと言う子が来るみたいですが、出発に遅れてしまったみたいなので後から合流します」
ガイドのランクが言った。
「そんなやつ、タユにいたっけ?」
リーベルトが言った。
「さぁ…オレは聞いたことないなぁ…」
オージュが言った。
「私…聞いたことがあるわ、確か最近タユに来た子よ」
メリアが言った。
「ふぅん」
部屋に荷物を移動している間に、外はすっかり夜になっていた。
イリアの夜は、タユ・ニニアと違って闇にはならない。
街灯によって街は燈され、様々な店や民家で明かりを絶やすことはなかった。
「それでは、ディナーに致しましょうか」
ランクが運んだ料理は、どれも初めて見るものばかり。みな、恐る恐る口に運んだ。
メリア
「おいしい…」
リーベルト
「うまっ…」
コーキ
「おいしいっ!」
ユリカ
「まあまあね」
ニアン
「……」
ミエレ
「デリシャス」
フア&トア
「うん」
オージュ
「こんなに美味しいものもあるのかぁ」
みな各自楽しんでいるようだ。
メニューは…
・ポロの実のジュース
・リンリン鳥のソテー
・ライス
・クアイモのフライ
「ふぁ〜、腹一杯…」
リーベルトが倒れ込んだ。
「何してんだよ、リーベルトぉ」
コーキがからかう。
「まったく…(笑)」
オージュが笑った。
「都会の料理も美味しいものね」
メリアが言った。
「僕にはこういう料理の方がお口に合うみたいだ」
「むりすんなよ〜、ミエレはホントはニニアのカエル肉が好きなくせに〜」
フア・トアがおちょくる。
「な、失礼な!あんなもの!人が食べるものじゃない!」
必死になって否定するミエレを見て、ニアンの一言。
「見苦しい…」
そんなこんなで一日目の食事を終えた。
「と、いうことはだよ、カザ遺跡ではリーグル文字の石版が見つかったことから見ても、ミアー民族の存在は否定できないものになったんだ」
難しい顔をして、オージュが話す。
「やっぱりそうだよね?」
コーキが頷く。
食事を終えた派遣隊のメンバーは、各自部屋で過ごすことにした。
ミエレとニアンをみな最後まで心配していたが、案外相性が悪いわけでもないようだ。
オージュとコーキの部屋からは、窓の片隅に満月が揺れていた。
「ねぇ、見てみて!
綺麗だよ!」
「本当だ…タユで見た空を思い出す…」
その時であった。
「コンコン…。
ねぇ〜、開けてくれない?」
聞き覚えのある声が聞こえた。




