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巡れ!半神と仲間たち 半神幼女が旅行とごはんとクラフトしながら異世界を満喫するよ! ~天罰を添えて~  作者: あいのの.


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297. SNOWY CHRISTMAS

 三日目も快晴だった。

 本日の私はキツネさんロンパース・チベスナ(チベットスナギツネ)バージョンです。


「今日も凄そう」

「主はわたしかミルニル抱っこですよ」


 本日の抱っこ担当はミスティル&ミルニルです。


 そう。最終日だけあってお客様が更に倍増しております。

 すでに隠す気もないお忍びな王様率いる王族関係者が多数。準備中の忙しい時に急遽王族を受け入れたあの日は何だったのか?

 いや、練習台になったからいいんだけれど。



 どうやらあの美食家夫人も毎日来ていたらしく、今日はシュトレン(大)を五個買っていたんだって。

 他にも多数(恐らく全種類)の食べ物をすんごい数買っていたと目撃あり。この広場で食べたものと、持ち帰ったものがあるらしい。

 食べ物が傷まないか心配になったんだけれど、店舗担当者も心配になって声掛けしたら、二日ほどで全部食べ終わると言っていたらしい。

 恐るべし!謎多き美食家婦人。



 ヴァロさんは皆勤賞と言うかなんと言うか……。

 他の一等賞は当たったから、釣りに再チャレンジしたいと通ったそうな。

 最初に飾っていた中世ヨーロッパ風のエレガントな純白&銀糸のドレスは王都民の人が当選したので、次に飾ったアール・ヌーヴォー風ドレスとモダンクラシックスーツをGETしておりました。

 流石ヴァロさんです。



「あ!アンタ達は!」

「誰?」


 困り顔のミルニルにガクッと傾く男性。


「[深淵の森]で会ったろう?クラスA【雨月】のロフケアだ」

「ああ、そう言えば会いましたね」


 ミスティルの表情はあまり変わらない。


「おいおい…」

「どめんにぇ。わたち、おぼえてゆ」


 我が家の皆が人にちょっとだけ無関心でごめんね。私は覚えているよ!


「お嬢ちゃーん。ありがとうな」


 ヨヨヨと泣き真似をするロフケアさん。

 地図では青点だし、多分良い人。


「しょゆ、てぃっしゅ、ようとしょ。あにゃーと」

「ソルスティスマルシェへようこそ。来てくれてありがとう、と主が言っています」

「おう。楽しませてもらっているぜ。それよりも…ピリカ様から超有名な商人の『サクラフブキ』だって聞いていたが、本当だったのか」

「そう。行商人」

「行商人とは……………」


 わかる。わかるよ、ロフケアさん。

 行商人にしてはやること派手だよね。


「なにた、食べた?」

「これから食べ歩くつもりだ。そう言やここですっげー良い武具屋を見つけたぜ。刃といい拵えといい素晴らしい逸品だった。持ってみたらしっくりきたし、あんな凄い武器に巡り合えることは無いかもしれん」

「でしょう?」


 珍しく嬉しそうに微笑むミルニル。


「たわない?」

「買わないんですか?」


 他の武器屋より多少高いくらいにしたけれど、手が出ないほどじゃないとミルニルが言ってたよ。


「買いたいっ!買いたいが、生憎今日は俺しか来ていねえ。出来れば全員の分を揃えたかったんだが、仲間達は休暇で遠出しちまって不在なんだよ」


 そうなんだ。

 仲間がいると、良い武器を一人だけ買うのってし難いのかな?


「だがソルスティスマルシェは今日まで。来年開催されるかもわからないし、武具屋が出るとも限らないのでは?」

「あっ、おねしゃん!」


 振り向くと、ローザお姉さんが立っていた。


「武具にも一期一会があると私は思っている」

「一期一会…」

「余計なことを言ってすまない。【虹の翼】ローザリアだ」

「に、【虹の翼】!ミールナイトに凄い冒険者がいると噂は耳にしているが、君がクラスSのローザリアか!ん、ん。失礼、興奮しちまった。俺は【雨月】のロフケア。クラスAだ」


 ロフケアさんとローザお姉さんがよろしく、と握手をした。


「私はこれから武具屋を覗く予定だが、貴殿も一緒にどうだ?」

「…武具にも一期一会か…。ああ、一緒に見に行こう」

「あの武器類はミルニル殿が?」

「うん、ミユニユ、うた」


 そうだよ、ローザお姉さん。ミルニルが打ったんだよ!


 伝説の武器達は眠らないから、時間のある時に自分の好きな物を作っていることが多いらしいの。

 ミルニルから水晶の洞窟の展示部屋に行きたいとお願いされ転移の門戸で繫げると、長年溜め込んでいた武具をマジックバッグに詰めて持って帰って来た。

 私が行ったときには気が付かなかったんだけれど、展示部屋には伝説の武器しか入れない秘密の部屋があって、ミルニルは槌を打っては武具を作り、その部屋に溜め込んでいたらしい。


 あまりにも多すぎて秘密部屋が狭くなったので、今回のソルスティスマルシェで売り出していい?と聞かれ、もちろんOKの大放出!にいたしました。

 ヒュヴァー商会の武具専任者が販売の担当をしてくれているんだけれど、このような素晴らしい武器にこの値などありえない!とかなりごねられました。

 『ソルスティスマルシェ特別価格』としてかなり値段を抑えたけれど、ミルニルが考えていた値段よりは高くなってしまったんだって。


 ちなみに武具専任者の男性は、ミルニルの作品を一つ一つを吟味しながら頬擦りしていたらしい。怪我するって!

 そして自分が一番気に入ったレイピアやロングソードを個人用に購入し、休憩中に眺めては頬擦りをしているとかいないとか。だから怪我するってば!



 そんな信頼(?)できる武具専任者が店員をしている武具屋に皆でやってきました。


「順調に売れておりますよ、ミルニル様!」


 彼の話では、多くの王族関係者や騎士達、貴族、私兵、貴族の専属護衛達が訪れては入り浸り、自分に合った武具を購入しているらしい。


「冒険者は買いに来ているかい?」


 ローザお姉さんの質問に、店員さんは首を横に振る。


「ソルスティスマルシェにはあまり冒険者が来ていないようですね」

「自分達とは無縁な気がするしな」


 そうなんだ?


「俺は来て正解だったと思っているぜ。何食べても美味いし、綺麗だし。あとで紐引くやつ?挑戦して美味い肉を当てようと思ってる」


 ロフケアさんに楽しんでもらっていて嬉しいなあ。


「さっき俺が見ていた長剣はあるか?」

「ああ、残念ながら売れてしまいました」

「おおぉ……」


 ガックリと肩を落とすロフケアさん。

 一期一会か…。あの時買っておけば良かったと落ち込んでいる。


「でも他にも沢山ありますよ」

「ちょっと待って」


 ミルニルが店舗内に入り、マジックボックスの中を眺めた。


「これ、合いそう」


 そう言って差し出したのは、武骨だけれど刀身の美しい剣。

 ロフケアさんがそれを受け取り、刃をじっと見ている。


「裏の広い場所で振ってみたら?」


 店員さん以外の皆で裏に周り、ロフケアさんが重さや握り具合、振った時の動きなど確かめるのを眺めた。


「すげえ。先程の剣より更にしっくりくる。こちらの方が俺に合っているようだ」


 流石ミルニル!その人の体格を見ればどんな武器が合っているのかわかるんだね!


「購入したい。支払いする金額は問題ないが、持ち合わせがない。金を用意して戻ってくるから取っておいてもらえるか?」

「いいよ。そうしてあげて」

「承知いたしました。本日のソルスティスマルシェは21時までです。それまでに戻って来てください」

「ああ、もちろん!すぐ、すぐに用意する!」


 走りかけて、一旦戻ってくるロフケアさん。


「背中を押してくれてありがとう、ローザリアさん。良い武器に出会えたぜ」

「いや。思ったことを言ったまでのこと。混雑しているし入り口で並ぶことにもなる。早く行った方がいい」

「ああ、お嬢ちゃんもミルニルさんもありがとう!ちょっと行ってくる!」


 凄い勢いで出口に向かっていった。

 良い武器に出会えて良かったね!ロフケアさん。



「貴女も武器が欲しいの?」

「ああ、そうだね。私は鞭か長剣が欲しいかな」

「鞭か…。作ったことがないから興味ある。俺に作らせて」

「え?ありがたいけれど、いいの?」


 ミルニルは鞭作りに興味が湧いたみたい。


「今度、鞭を見せて」

「わかった。旅を再開した時に見せるよ」

「うん」


 そうこうしている内に休憩時間が終わってしまったとのことなので、お姉さんは酒屋さんに戻って行った。


「ミユニユ、おねしゃん達、ほちい、言たや、ぶち、ちゅちゅって?」

「もちろん」


 ミルニルに、お姉さん達が欲しいって言ったら武器を作ってあげて?とお願いして、了承をもらった。もちろん、フィガロギルマスやエレオノールさん、ディリジェンテさんにもね!



 三日目も大大大盛況で走り抜けました。

 ソルスティスマルシェは21時までかなり盛り上がり、お客様が全員帰るのに22時までかかり、今日は関係者の皆さんにお弁当を渡して解散となった…らしい。


 私はその間ぐっすり寝てました。ごめんなさい。




「あえ?」

「起きましたか?」


 夜中に目を覚ましたら、[星と湖]会場の端っこに設置した桜吹雪専用のテントだった。私がお昼や夜に寝てしまうから会場のテントは回収せず、そのままにしていたんだ。


「今日は解散しました。商会長は明日10時頃来るそうです」

「鳳蝶丸達は、備品や小屋を回収しに行った」

「うん…」


 しばらくすると、皆がテントに戻って来る。


「マジックバッグやボックスの登録者は俺達以外解除しておいたぞ、お嬢」

「共有に入れたから、姫の方に移動しておいてくれるかい?」

「あい………」


 結局最後は寝ちゃったし、楽しかったお祭りが終わっちゃったし。

 寂しくなってちょっと落ち込んでしまう。


「姫さん、行こう」

「え?」

「明日の朝には全部仕舞うので最後の見納めです。行きましょう、主殿」

「主さん、行こう」

「さあ、抱っこしましょうね」


 私はミスティルに抱っこされて外に出る。

 会場はすでにガランとして真っ暗だった。


「お嬢。結界の中を見えないにしてくれ」

「あい」


 外側の大きな結界に外から中が見えない、私達以外入れないを付与する。


「よし」



 パア!



「わあ、ちえい!」



 真っ暗な中で、クリスマスツリーに電飾が灯った。

 そしてクリスマスツリーの周りには光り輝く様々なオブジェ。回収してから飾り直してくれたみたい。

 雪景色とクリスマスツリーとオブジェ。キラキラしてとても綺麗だった。


 賑やかだった広場に人がいなくなり凄く寂しいけれど、我が家の皆がいるから暖かい。皆と一緒だからそれだけで幸せなんだと実感する。



「姫さん。ここに結界を張ってくれるか?」


 氷華がテーブルと椅子を出したので、そこに雪が入らない結界を張る。

 すると、テーブル一杯に食事やケーキを並べる皆。


「遅い時間ですが、せっかくなのでクリスマス会をしましょう、主殿」

「姫は葡萄ジュースでいいかい?」

「わたし達はワインをいただきますね」

「骨付きソーセージ美味しそうだよ、主さん」

「楽しかったぜ、姫さん」

「ただただ見守るしか出来なかった俺達に、楽しい時間をありがとうな、お嬢」


 皆が笑顔でグラスを掲げる。



「「「「「「メリークリスマス」」」」」」



 チン☆


「たんぱーい!」


 乾杯!


 クリスマスチキンにふかし芋のラクレットチーズのせ、いちごジャムのリースパン。ビュッシュ・ド・ノエル、アイシングクッキー。

 美しいクリスマスツリー。舞い散る白い雪。

 賑やかでとても楽しい、私達だけのクリスマス会。


 最後にミスティルが歌う優しいクリスマスソングを聴きながら…。

 私はまた深い眠りに誘われる。

 皆、楽しいクリスマスをありがとう。



 おやすみなさい。

本作をお読みくださり、☆評価、ブックマーク、いいね、感想をくださりありがとうございます。

とっても嬉しいです♪

これからもどうぞよろしくお願いします。


本日12月23日。数日早いですが、皆様 ☆Merry Christmas☆

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