幸せになるまで死ねません
---あなたが死ねばよかったのに---
病弱な兄の世話係として生まれた私。なのに、その兄は先に死んでしまった。
兄を溺愛する母は、兄が死んでも生きている私を怨み、私を刺し殺した。
死んだ私は、天国でも地獄でもない場所で、生まれ変わることを提案される。
ある程度希望を聞いてくれると言う、閻魔様のお遣いのおじいちゃんに、私は告げた。「生まれ変わるなら動物園のパンダになりたい」と。
生きているだけで喜ばれる、存在するだけで意味がある、そんな存在になりたいと。
でも、そんな願いを素直に叶えてくれるほど、お遣いのおじいちゃんは優しくありませんでした。
結局、とある夫婦の娘として生まれ変わった私。
私には、前世の記憶がありました。
閻魔様のお遣いからのお達しは「生きるということの意味を知りなさい」とのこと。今生で理解できなければ、前世の記憶を持たせたまま延々と転生させるという脅しつきです。
挫折した前世の記憶を延々と持って転生するなんて、それはなんて酷い罰ゲーム……!?
なんとしても、今生でクリアしなくては。
でも……生きる意味って、なんだろう。
ひとりの少女が答えを見つけるまでの、人生譚です。