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【不可侵神域】
世界変動の余波を受け、その不可侵の神域も大きく揺れた。アデューネは、選択を迫られる。ここで、紫藤黒真を助けるのか、助けないのか。そして、紫色が言った。
「僕らは、ここで、変革を迫られていたのかも知れないね、アデューネ」
アデューネが紫色に聞いた。
「変革の際、私が力を貸してもいいものなのでしょうか……」
アデューネの問いに対して紫色は、こくりと頷いた。
「アデューネ、僕らは、弱い。それを補ってくれる外的存在は必要だと思うよ」
紫色はアデューネに微笑んだ。
「アデューネに僕が必要だったみたいに、ね」
ウィンクをする紫色にアデューネが頬を染めた。
「でも、まあ、七天は外界と神域の接触を快く思わないだろうけど」
紫色の言葉に、アデューネは苦笑で返す。
「まあ、そんなことを言いつつイフリートって外界に好きな子がいるって出て行く計画を立てているんですけどね」
そんなことを話しながらも、アデューネは、紫藤黒真と言う、紫色の祖父に手を貸すことを決めた。
「さて、【虹色洗礼】のアデューネの出番ですかね」
懐かしい呼び名を自分から持ち出し、淑やかに笑う、虹色の髪を持つ美しき少女、アデューネ。
「じゃあ、【紫色の狙撃者】のシイロもサポートするよ」
力天使の称号を持つ紫色も肯定的意見を出した。
「さて、止めましょうか。っとその前に、あの人達に連絡を入れましょうか……」
【神界超高域】
七つ目の世界にも、【時空の剣】の影響は届いていた。
「これは由々しき問題です」
声高々に叫ぶ金色の翼と金色の髪を持つ金色の目をした女性。彼女は、メルティア・ゾーラタ。【金色の炎柱】のメルティアである。熾天使の称号を持つ女性である。
神界、シンフォリア。神の世界と言う名で呼んだが、神はいない。この世界にいるのは天使だけである。現在、超高域に集っているのは、階級ある天使たちである。
欠番のデュナメスを除いた階級持ち天使がほとんど揃っている。
「問題と言っても、こちらには、特に酷い影響はなくてよ?」
銀色の翼と銀色の髪を持つ銀の瞳を持つ女性。彼女はサルディア・スィリブロー。メルティアの義理の妹である。そのため苗字が違う。【断罪の銀剣】のサルディア、智天使の称号を持つ女性である。
「そうね、位相の一番離れたこの世界には大きな影響なんて無いわ」
白き翼と白き髪、薄桜の瞳を持った女性。彼女はミカエル・ラ・ヴァイス。【神へ導く白い光】のミカエル。熾天使の称号を持つ女性である。
「でもぉ。それだけじゃあ、安心できへんよぉ?」
桃色の翼に桃色の髪、桃色の瞳を持つ女性。彼女はラファエル・ジ・ローザ。【癒しの桃風】のラファエル。熾天使の称号を持つ女性である。
「安心以前に奴等の暴挙を見逃せない……」
オレンジ色の翼とオレンジ色の髪、オレンジ色の瞳を持つ少女。ウリエル・シィ・オランジュ。【橙光炎の裁き】のウリエル。熾天使の称号を持つ少女である。
「シカシ、ソウもイってラレナイよ」
藍色の翼と藍色の髪と藍色の瞳をした女性。カミューラ・ブラオ。【藍色の大砲台】のカミューラ。力天使の称号を持つ女性である。
「ああ、そうだ。こちらの現状を考えると、近いうちに、向こうとの影響が出てもおかしくはない。繋がる可能性すらある」
赤紫の翼と赤紫の髪と赤紫の瞳を持つ女性。ヴェーダ・ルムバヨン。【赤紫色の仲介者】のヴェーダ。天使たちの仲介者であるため称号は無い。
「しかし、神々からの託しが降りなければ、我々は接触できないはずですわよね」
水色の翼と水色の髪、水色の瞳を持った女性。彼女はガブリエル・アズュール・クラーロ。【神声を運ぶ水色の囁き】のガブリエル。熾天使の称号を持つ女性である。
「かといって、浸蝕されるわけにもいかんだろ?」
緑色の翼と緑色の髪、緑色の瞳を持った女性。彼女はアーノル・ベルデ。【拒絶する緑壁】のアーノル。熾天使の称号を持つ女性である。
「いやいや、別に浸蝕されると決まったわけじゃないっしょ?」
紅色の翼と紅色の髪、紅の瞳を持つ幼女。彼女はルージュ・ヴェルメリオ。【意思を統率せし紅の翼】のルージュ。座天使の称号を持つ幼女だ。
「だが、な。【不可侵神域】ならば」
アーノルの言葉に、天使たちがシーンとする。【不可侵神域】、シンフォリアでは禁句の言葉。
「アデューネたんやねぇ?」
ラファエルが続ける言葉に、皆は黙り込んだ。けれどルージュは続ける。
「別にあいつが悪い奴ってわけじゃないんだからいいっしょ」
ルージュの言葉に反論するが如くメルティアが言う。
「しかし、あの方は、この世界を抜けた身。声のかけようが無いではありませんか」
現在、【不可侵神域】にいる存在は、七天と二名だけ。
七天とは、七大天使のことではない。シンフォリアを抜け出した七人の天使のことだ。
【蒼き剣嵐】のソウジ・アオバ。能天使の称号を持つ。
【黄色き双翼】のハルキュイ・アマリージョ。主天使の称号を持つ。
【射程の深緑】のデュラミス・リュイ。智天使の称号を持つ。
【檸檬の翼撃】のアルキュイ・ジョーヌ。権天使の称号を持つ。
【赤き流星の天言】のティエル・ル・エリュトロン。熾天使の称号を持つ。
【重鈍なる茶色の大地】のセルゲイ・アイティオピコン。天使の称号(最下級の一般天使)を持つ。
【炎鉄の朱空】のイフリート・ルーフス。主天使の称号を持つ。
以上が七天だ。
【虹色洗礼】のアデューネ。称号はなし。
【紫色の狙撃者】のシイロ・シドウ。力天使の称号を持つ。
今となっては、【不可侵神域】にいるこの面々とシンフォリアの面々は、交流が無い。
「あの方、ね……。随分と敬った呼び方ではありませんの?」
サルディアの指摘に反論の出来ないメルティア。そこに、念話がとんでくる。
(あー、天使の皆様、お久しぶりです。こちら【虹色洗礼】のアデューネなのですけれど、少し、力を貸してくださいませんか?)
今話していただけに、思わずビクッとする天使たち。
(今、地球で起こっている異変を、助ける手を貸してください)
アデューネの言葉に、メルティアが、息を吐き、周りを見て、異論が無いことを確かめ、言った。
「ええ、協力させていただきます」
無駄に天使の数がいますが、黒真たちに直接絡むことがほぼ無いので本編には無関係です。
考えるのに時間かかったんですけどね……。また、別作品で出てくるかも知れませんね。
あと、無駄にOOっぽいです、はい。




