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つれないね、恋の分からず屋  作者: 伊藤東京
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グランピング 5

 コテージに着くと、早速食材が入った袋を台所に広げて調理の準備を始める。

 食器棚にはコップや皿、フライパンに包丁、まな板などの調理器具が整頓されて置いてある。

「何をすればいい?」とわたるが聞いてきたので、美和子が「バーベキューセットの火焚いて、料理が出来る準備をしてもらってもいい?」とお願いした。

 私たちのコテージの一階は、天井から床まである大きな引き戸の窓が備え付けられていて、そこから庭に出られるようになっていた。

 わたるとまさが、その大きな窓を開けて、縁側のようになった場所にバーベキューセットを持ってきて、火を起こす準備を始めた。

 バーベキューセットを見つけた時、一緒に火を起こす用の袋に入った焚き木が置かれていたのを見つけたのだが、どうやら二人はそれを組み立て始めたようだ。

 その間、美和子と私はまな板と包丁を使って、焼きそばの具材になる野菜を切っていた。まな板も包丁も二つしかなかったので、結愛は火を起こす二人を縁側に座ってただ眺めていた。

 野菜を切っている間、結愛が笑いながら二人と話をしているのを見て、今は機嫌が良さそうだと少し安心した。

 途中まさが、ガスコンロの火を借りる為にこちらにやって来て、紙に火を灯して外に持って行ったこと以外、お互い順調にそれぞれ作業を進められた。

 私たちが野菜を切り終わって、まな板一杯の野菜を持って縁側まで歩いていくと、既に風に吹かれても大丈夫そうな火が出来ていた。鉄板もすっかり温まっていて、油を垂らすとすぐに薄っすらと白い煙が立ち上った。それを見て「おぉ、すげぇ」とまさとわたるが感嘆の声を上げる。

 そこに、まずは火が通るのに時間がかかりやすいキャベツを入れる。すると、一気に水分が焼かれて弾ける音がした。ジュワーと激しい音を立てている間に、美和子が持っていたヘラで鉄板の中をかき回す。

 キャベツが軟らかくなってきたところに、ビーマンや玉ねぎ、にんじん、もやしを入れた。薄切りの豚肉を入れて、全てに火が通ってから最後に焼きそばの麺を入れる。美和子が手早くすべての具材を絡ませると、最後に焼きそばのたれをかけた。

「お皿持ってこようか?」と結愛が美和子に聞くと「あ、お願いできる? ありがとう」と美和子が言ったので、私と結愛は人数分の皿と箸をキッチンから持ってきた。

 そうして時計回りに、私、結愛、美和子、まさ、わたるが座った。女子三人は縁側に座って、男子二人は鉄板を挟んで折りたたみの椅子に座った。美和子が更に焼きそばを取り分けてくれて、全員の料理が揃ってから皆で食べた。

「ん! 美味しい! 焼きそば美味しいね」

 出来立てのおかげか、記憶にある焼きそばよりずっと美味しく感じられた。具材もたれも良く麺と絡んでいて美味しい。

「屋台のより美味しいね。自分で作ったから美味しく感じるってやつなのかな?」と美和子が一口目の焼きそばを食べ終えてから言う。

「そうかもね」

「屋台の焼きそば、たれが少ないっていうのもあるんじゃない?」とまさが言うと「あぁ、そうかも」と何かを発見したように皆で頷いた。

 皆でこうして円になって食べる食事は、賑やかで楽しい。


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