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つれないね、恋の分からず屋  作者: 伊藤東京
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グランピング 2

 景色が変わり緑が多くなってくると、自然と郷愁が湧いてきて、この年でこんな風に思い耽ることができるんだと我ながら驚いていた。高速バスを降りた後は、予約したグランピングの管理者に電話をして、お願いしていたミニバスを頼んだ。

 田舎なのに駅周りはちゃんと賑やかで、人々が狙ってこの建物に一斉に集まっていた。そんな状況なので、ミニバスもいくつも並んでいて、どれが自分たちのものか分からず探すのに苦労したけれど、やがて正解のバスを見つけて乗り込んだ。

 ミニバスに揺られている間、たった一年半前まで見慣れていた景色の彼方此方が違っていて、その都度世間話をするバスの運転手に聞くと、「知らなかったんですか」と言われて、時の流れの速さに驚いた。この短期間で観光地としての発展をどんどん遂げているらしく、私だけが過去の思い出の地に取り残されているようだ。

 キャンプ場所に着き手続きを済ませて、渡された鍵を元に広い敷地の中、自分たちに割り当てられたコテージを探した。私たちのコテージは二階建てで、かなり広い。

 バーベキュー用の部品は勿論、ベンチブランコまで外に置かれていた。一回には広いキッチンと、壁いっぱい大きな窓が一面にある。襖で区切られた窓の向かい側には少し古いテレビがあり、布団が隅に重なって置いてあった。

 部屋についた私たちはまず荷物を置いて、スーパーまで連れて行ってくれるミニバスの時刻を確認した。十七時半にオフィスから出るミニバスが最後なのを確認した後、私たちはコテージの中を歩き回って内装を確認する。

 二階には小さな部屋が二つあって、そのうちの一つには低いベッドが置いてあった。

 それを見て美和子が「ここで寝ようかな」と呟いた。特にベットや二階に拘る気もなかったので、私たちはどうぞどうぞ、と部屋を譲った。

 一階に降りてきた私、結愛、わたるの三人は、バスを待っている間暇だったので、テレビの音を背景に布団を敷き始めた。二つの布団を並んで敷き、その布団の頭に来るところに、もう一つの布団を横向きにして敷いた。

 二つ並び合っている布団に私と結愛が、一つだけ上に敷かれた布団にわたるが寝っ転がった。

 後はミニバスの時間になるまで待つだけだったので、部屋の隅に備え付けられたテレビで、新宿近くのラーメン屋特集を見ながら、「ここいつも通ってる道じゃん」「こんなラーメン屋あるんだ。知らなかった」などと話していた。

 すると、私は上から定期的に物音が聞こえることに気づいた。気づいていないらしい二人を見て、私はそのことについて黙っていた。けれど、「美和子とまさがいないと寂しいね。二人呼んでこようよ」と結愛が言いながら立ち上がった。

 私は考えるよりも先に体が動いて、焦って結愛の足を掴んで「駄目だよ!」と引き留めていた。


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