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つれないね、恋の分からず屋  作者: 伊藤東京
84/103

スターバックス 3

「え、今つけてよ。つけてあげるから」

 私はネックレスを結愛の手から受け取って首につけた。けれど、結愛の反応は簡素なもので、特に私からアクセサリーを貰ったことや、イルミネーションの点灯だとかは全く関係なさそうだった。

 結愛にとってはイルミネーションのロマンチズムも恋人からの贈り物というイベントも、全て友人との行為に変わりなかった。理解はできても、感じることはできない。

 想像以上にそれらしい反応を全く示さない結愛に、私は物足りなさを感じた。

 それだけ?

 ネックレスをつけてもらった結愛は既に、美和子に連れられるがままに青いイルミネーションの道の先を歩いている。

 青い道を歩いていくと、様々な撮影用のオブジェクトが置いてあった。けれど、物凄い人の列ができていて、列に並んでまで写真を撮ろうとは私たちのうち誰も思わなかった。

 普段なら並んででも思い出にと写真を撮る私だが、今日の思い出を写真に残したくないと思ったし、結愛と二人ではどうせ撮れないと分かっていたので、私も皆と同じように無視した。

 青いトンネルの最初から最後まで歩いて見て回った後、私たちは夕飯を食べることにした。歩いてきた道を戻って渋谷の交差点に戻る。ビルの中にあるパスタ屋を見つけ、私たちはそこで食べることにした。

 注文し終わって待っている間、まさはバックから美和子への誕生日プレゼントを取り出した。ノートパソコンくらいの大きさの紙袋の中に、様々なものが入っている。

 可愛い香水モチーフの形をしたスマホの携帯充電器や、可愛い柄のマグカップ、スマホに張り付けるリングなど様々なものが五つほど詰め合わせのように入っていた。

 合計で一万円超えていることは明らかだったけれど、社長の息子の彼にとっては大した痛手にはならないのかもしれない。

 ネックレスを渡した時とは違って、結愛も「すごいね。流石」と褒めていて、表情がぱっと明るくなったのを見て私は正直悲しかった。羞恥心や嫉妬よりずっとずっと悲しかった。

 美和子がスマホリングを彼女のスマホに張り付けたところで、店員がやってきた。

 食事をした後に、結愛がビルの最上階にフードコートがあり、タピオカ屋も含まれていることに気づいて、そこに向かうことになった。

 金銭状況が厳しい私は美和子と結愛がタピオカを飲んでいても我慢していた。それに食後のこともあって高いお金を払って飲もうという程でもなかった。

 タピオカを受け取ってフードコートの片隅に立って飲んでいる二人を眺めていると、結愛が私にストローを差し伸べてくれた。


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