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つれないね、恋の分からず屋  作者: 伊藤東京
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スターバックス 1

 クリスマスも過ぎた休日、私たちは渋谷で行われる青の洞窟のイルミネーションに行くことにした。

 わたるにも声をかけたけれど、残念ながら予定が入っているということで、カップルだけとなる私たち四人で行くことになった。美和子は去年も行ったことがあるらしく、私たちは美和子にお勧めされた通り、イルミネーションの点灯が始まる前に集まることにした。

 当日、日が丁度暮れる前、渋谷はまだまだ混雑していて、私は渋谷駅のハチ公周辺に立って結愛から連絡が来るのを待っていた。グループラインにまさと美和子が、ビルの中のカフェにいると言っていたが、私は渋谷に行ったことがないという結愛が心配で、結愛と合流してからカフェに入ると決めていた。

 集合時間から三十分程遅れて結愛が現れた。オレンジ色のフェルトのワンピースに茶色のロングダウンコートを着ていて、小さな斜め掛けバックをかけている。

「遅れてごめん。皆どこにいるの?」

「あそこのビルのカフェにいるよ」

 そう言って私はビルの三階を指さした。渋谷の交差点の向こうに、星野珈琲と大きく看板が出ていて、ガラスの向こう側に店内が見える。そのカフェに向って私たちは歩きだしたが、結愛は手を繋ぐどころか、私の横も歩かずに、カフェに向って意気揚々と歩き始めた。

 結愛の背中を見ながら歩く私は、急に結愛の為に外で待っていたことを損したように感じた。

 カフェに着くと、二人が注文もせずに待っていてくれて、四人席に揃って注文することができた。それぞれデザートを頼んで食べた後、私たちは暫く雑談していた。

 取り留めもない話をして日が沈んできた頃、そろそろ行こうかと店を出る。まさと美和子が仲良く手を繋いで歩いている後ろを、私と結愛は眺めながら歩き始めた。

 私だけが、手を繋げないことを気にしている。

 イルミネーションの点灯場所は近隣で、様々な建物と道路が絡みあって複雑になったところを大きな道が貫くようにしてできている。まだ灯っていない街灯のせいで辺りは真っ暗になっており、スマホの懐中電灯をつけて道を歩いたほどだ。

 目的地に着くと美和子が、イルミネーションの道が始まる場所に人が群がるから、と教えてくれたので、皆で点灯前のイルミネーションスポットに入り、そこで座れそうな場所を探した。植木に腰掛けて点灯時間を待っている間、美和子はまさの誕生日プレゼントを見たがった。美和子の誕生日は数日後だが、その日は学校があるので、今日誕生日プレゼントを渡すことにしたらしく、まさだけバックパックを背負っていた。けれど、渡す時を決めているのか、まだ駄目だとまさは断る。

 私はその二人のやり取りを見ながら、私も喜んでもらえるだろうかと反応に期待していた。


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