横浜とカーセックス 9
「ごめん、コート掛けてもらうの手伝ってもらっていい?」
「んー」
覆いかぶさるまさの腰の上にコートをかけ、二人の下半身が見えないように隠した。二人が器用に下半身の服を脱ぎ始める。するといつの間に入れたのか、まさが動き始めた。途端に車が大きく揺れて、徐々に窓が結露で真っ白に曇っていく。二人とも声は出さずに、車のギコギコ揺れる音だけがする。
「すごーい。今入ってるの?」と結愛が聞く。
「入ってるよ」と美和子は普通に返答する。
「動画とかで見るけど、まさか生で見るとは思わなかった」と私が言う。
けれど、特にそれ以外起こることはなく、私はだんだんつまらなくなって、白く曇った窓に指で絵を描き始める。
「これ見て、セックスしたいなとか思う?」と結愛に聞かれた。
「ん? ムラムラするなとは思うけど、別にそこまでかな」
「じゃあ、これ終わったら私が指でしてあげようか?」と美和子が指を動かしてみせる。
「いや、いい、いい」
「何で? してもらいなよ。せっかくだし」と結愛が不思議がって聞いてくる。
「いや、せっかくだしと言われても。結愛がいるから」
「でも私気にしないよ」
「いや、知ってるけど、気持ち的に忠実でいたいの」
「え~、もったいない」
すると、いつの間にか終わったらしく、二人は服を着始めた。美和子がまさのコンドームを結んで、ティッシュに包んだ。
「ありがとう二人とも。夢のうちの一個叶ったわ」
「こっちもなんか珍しいもの見させてもらったわ。じゃあお休み~」
「お休み」
もう夜中の二時にはなっていたと思う。皆疲れていて私もいつの間にか眠っていた。
気づいた時には既にわたるが高速道路を走っていた。驚いて見渡すと、みんな既に起きていて、私だけ眠り込んでいたらしい。
旅行の行きは話が弾んだものなのに、帰りは静かで、みんなスマホを使っていた。
レンタカーを戻した後のことはよく覚えていない。




