横浜とカーセックス 3
当日、結局レンタルカーを借りて横浜まで行くことになった。朝早くにみんなで新宿に集まり美和子に連れられるまま西武新宿の地下道、新宿サブナードを歩く。並んでいる店のうちにレンタカーがあって、美和子とわたるが書類に何かを書いたあと、簡単にレンタカーを借りることができた。
「どれがいい?」と皆にきく美和子に、私たちは地下駐車場に並ぶ車の前を歩いて、その中でも大きいファミリー用の車を選んだ。
美和子がスマホでレンタカーのアプリを少しいじると、それだけで私たちはもう車を借りられた。美和子がわたるに車の鍵を受付まで取ってこらせた後、私たちはそれぞれ車に乗り込んだ。わたるが運転席に座り、まさと美和子がその後ろ、さらにその後部座席に私と結愛が座る。
あんなに反対していた結愛は今日、機嫌が悪そうな様子一つ見せなかった。
皆これからの旅行に胸が高鳴り興奮している。
新宿周りの複雑な道路を平気な顔で運転するわたるに、内心運転の腕前を心配していた私は安心した。
高速道路に乗った後は、主に四人だけで話をしていた。わたるは聞く役に徹していて珍しく静かだった。といっても、話すことは主に横浜に着いたらどこに行こうか、とか、何を食べようか、というような事ばかりだった。
行きは昼間だから寝ないだろうと思っていたけれど、美和子と結愛に起こされ、自分だけいつの間にか寝ていたことに気付いた。起こされたとき、皆は横浜の赤レンガ周りの駐車場を探しているところだった。
何度か家族で来たことがあったので、旅行だと高揚していた気持ちは不思議と懐かしさに変っていった。従妹の家族と一緒に赤レンガ内のレストランで食べたことだとか、赤レンガの隣にあるショッピングモール内を歩いたことを思い出す。
少し時間がかかったけれど、無事駐車場を見つけた私たちはまず赤レンガに向って歩いていった。
赤レンガ内はかなり混雑していて、「これ金曜日の昼の込み具合?」と言い合うほどだ。それでも休日ではなかったので、今日横浜に来てよかったね、と皆と言いながら空席を探した。
席を確保した後、私たちはそれぞれ分かれて赤レンガ内のレストランを見て回った。美和子とまさが腕を組み合って一緒にメニューを見ている中、私は結愛の後ろについて歩き回った。




