写真 7
脱衣所がなく、出入り口のすぐ左に曇りガラスの扉があった。空けると中にはバスタブとトイレがあり、その目の前にベットが置かれているような状態だった。
私はベットで横になっている結愛の隣で服を脱いで、それをベットサイドテーブルに畳んで置く。その間、結愛はスマホをいじるわけでもなく、ただただ仰向けになって寝転がっていた。明かりを点けても薄暗かったので結愛が目を瞑っているのかどうかは分からなかった。
下着だけになった私は風呂場への扉を開ける。脱いだ下着はトイレの蓋の上に置いておいた。出入口の左手の壁にタオルラックがあり、そこに白いバスタオルがかかっている。
頭と体を素早く洗い、シャワーを使ってバスタブにお湯を貯めはじめる。そうすれば例え泣き出してしまったとしても、結愛には気づかれないから。
一緒に写真を撮ってくれなかったのは、友情の強さで仲の良い人の順番が決まる彼女にとって、美和子の方が私より親しいからということなのだろうか?
恋人という名称も、結愛の前では何でもない。
私は結愛の中で、ただ好きと言って引っ付いてくる友人という立場なのだろうか?
恋愛感情がなくても、私たちは私たちの付き合いをしようと意気込んでいた私がバカバカしい。いくら好きだと言っても、彼女は無自覚に無意識に、私を他の人たちと差別化なく接してしまう。そして、例え誰かに淫らなことをされたとしても、彼女にはそれが理解できないし、それがよくないことだとは理解できない。
私の心を乱すことと知識として理解していても、それを感じることは出来ない。私に感情移入できない。
そんな結愛を私はどうやって説得すればいいのだろうか? 一体どうすれば、何が嫌だと理解してもらえて、彼女がそれを予防してくれるのだろうか?
そもそもそれは、彼女のことを否定することに繋がるのではないだろうか? 彼女のこと自体を否定してしまうことになるんじゃないだろうか?
彼女自身、故意に悪いこととわかっていて他人とイチャイチャしてしまうことはない。なら、私は許すべきなのだろうか? 許す物自体存在するのだろうか?
私は結局、彼女を尊重して、私が我慢し続けるしかないんじゃないだろうか?
それが苦しくて、泣くのを我慢できなかった。涙がボロボロ落ちて、目が腫れないように涙を拭うこともなくそのままにしていた。
声が多少漏れてもシャワーのおかげで、私が泣いていることなんて結愛には分かるわけもなかった。




