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つれないね、恋の分からず屋  作者: 伊藤東京
68/103

写真 4

 イルミネーションを堪能した後、駅に向かって私たちは歩き始めた。

「あれ? 美和子さん?」と大きな掛け声に驚いて振り向くと、クラスメイトのうちの一人が立っていた。アルバイトのゴミ出しらしい。緑色のカフェのエプロンをつけていて、大きなゴミ箱を両手で押しているところだった。

「あれ? たいきじゃん! バイトお疲れ様」

「ありがとう。あ! そっちも」と言って私に向って手を挙げる。私も「バイトお疲れ」と返す。

 たいきが美和子の隣を見る。

「あ、これは、そういうことなので、内緒で」と彼の目線を捉えた美和子が笑って言った。まさは「どうも」と軽く会釈した。

「あ、そっかそっか、了解。見なかったことに」とたいきも笑いながら返答する。

「邪魔しちゃ悪いから行くよ」と美和子が言ったのをきっかけに「じゃあね」とお互いに言い合いながらその場を去った。

 歩いている間、私は手も繋げなかった。美和子たちと違って私たちは他人から、付き合ってるのかな? なんていう疑いをかけられることは微塵もない。それが私たちにとって良いことなのか悲しいことなのか、いまいち分からなかった。

 いつもと違い終電間近という訳ではなかったので「この後どうする?」と言い合いながら、とりあえず駅に向かって歩いていた。結局、せっかく明日休日なんだし、という話になって、いつも泊っているラブホテルに泊まることにした。

 ラブホテルに向ってそのまま歩こうとしたとき美和子が「コンドーム持ってる?」とまさに聞いた。まさは素直に「ないわ」と言う。

「え、でもコンドームホテルにない?」と結愛が質問する。

「いや、サイズとかわからないし、ホテルに置いたあるの安そうで破れたら困るしな」と美和子が返す。

 そういう訳で、ドン・キホーテにコンドームを買いに行くついでにお菓子も買うことにした。

 そもそもまさがコンドームを買えるのかという議論は美和子の「新宿のドン・キホーテだからいちいち確認しないでしょ」という一言で終わった。

 大丈夫だろうかと少し心配したけれど、取り敢えずみんなで入店する。

 エレベーターに乗って上階にいくと、屋内に所狭しと棚が並んでいて、店内が狭く見えた。

 美和子とまさが二人でコンドームを選んでいる間、私は手持無沙汰に二人の姿を後ろで眺めていた。すると結愛が「地下に行こう」と私の手を引いた。


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