写真 3
そう結愛が即答した。美和子が気まずそうな、驚いたような顔をして私を見る。
「そっちはいいの?」
「いや、いいよ。無理やり撮ってもしょうがないし」
結愛があまりに躊躇なく返答したので、写真を撮りたいと言えなくなってしまった。
「本当にいいの?」と美和子は私を気にかけてくれたけれど、写真を撮ってほしいとお願いしたとき、一瞬でも嫌な素振りを見せられたら耐えられないと思った。
そのままイルミネーションの道を歩いていくと、道の終わりには人工芝が敷かれていた。その上には緑と白のイルミネーションが張り巡らされ、花がモチーフにされた簡易的なプラスチックの椅子も置かれている。
そこでも美和子とまさは写真を撮った。二人が椅子に座り、結愛が二人の写真を撮る。私はそれを微笑ましいという表情で眺める。
その後まさが「結愛も撮りなよ」と言ったけど、結愛は美和子に向って手招きをして「こっち来て」と言った。
美和子と結愛の二人が仲良く椅子に座る。
まさは「え?」と言って笑顔を崩さないまま、困惑したように私と結愛を交互に見た。
私は「いいよいいよ」と何でもないという風を装った。
まさはそのまま美和子と結愛のツーショットを撮る。
順番に撮って貰えばいいから。そう思っていたけれど、結愛は撮り終わるとベンチから立ち上がった。
「一緒に撮らないの?」と美和子が言う。
「えー、いいよ」と笑顔で結愛が言った。
恋人らしいことはしたくないのかな、と私は勝手に解釈して、私の方を見るまさと美和子に「大丈夫」と遠慮した。
その後も美和子とまさと結愛は写真を撮り続けた。けれど、私と結愛が一緒に写っている写真は一枚も撮れなかった。




