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つれないね、恋の分からず屋  作者: 伊藤東京
67/103

写真 3

 そう結愛が即答した。美和子が気まずそうな、驚いたような顔をして私を見る。

「そっちはいいの?」

「いや、いいよ。無理やり撮ってもしょうがないし」

 結愛があまりに躊躇なく返答したので、写真を撮りたいと言えなくなってしまった。

 「本当にいいの?」と美和子は私を気にかけてくれたけれど、写真を撮ってほしいとお願いしたとき、一瞬でも嫌な素振りを見せられたら耐えられないと思った。

 そのままイルミネーションの道を歩いていくと、道の終わりには人工芝が敷かれていた。その上には緑と白のイルミネーションが張り巡らされ、花がモチーフにされた簡易的なプラスチックの椅子も置かれている。

 そこでも美和子とまさは写真を撮った。二人が椅子に座り、結愛が二人の写真を撮る。私はそれを微笑ましいという表情で眺める。

 その後まさが「結愛も撮りなよ」と言ったけど、結愛は美和子に向って手招きをして「こっち来て」と言った。

 美和子と結愛の二人が仲良く椅子に座る。

 まさは「え?」と言って笑顔を崩さないまま、困惑したように私と結愛を交互に見た。

 私は「いいよいいよ」と何でもないという風を装った。

 まさはそのまま美和子と結愛のツーショットを撮る。

 順番に撮って貰えばいいから。そう思っていたけれど、結愛は撮り終わるとベンチから立ち上がった。

「一緒に撮らないの?」と美和子が言う。

「えー、いいよ」と笑顔で結愛が言った。

 恋人らしいことはしたくないのかな、と私は勝手に解釈して、私の方を見るまさと美和子に「大丈夫」と遠慮した。

 その後も美和子とまさと結愛は写真を撮り続けた。けれど、私と結愛が一緒に写っている写真は一枚も撮れなかった。


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