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23.修理スキル

【鉄鉱石】862個

【銅鉱石】116個

【銀鉱石】19個

【金鉱石】2個

【魔晶石】1個


「合計で270,100だな。

 払いはポイントになる。

 ご苦労さん。

 あ、ピッケルは返してもらうぜ」

「はい!」


 カエデがピッケルを鍛冶屋へ返す。

 報酬は今まで一番の金額。


「そう言えば、ヨシノの銃が壊れたんですよね。

 直せます?」

「あん? ぶっ壊したのか。

 見せてみろ」

「あ、はい」


 私は言われた通り、銃を取り出し鍛冶屋の旦那さんへ渡す。


「……ひでぇな。こりゃ。

 どうやって使ったらこんな風になるんだ?

 振り回してぶん殴ったのか?」

「まあ、そんな感じで……」

「あのなぁ、武器にはその武器の正しい使い方がある。

 それを外れた使い方をしたなら、そりゃ壊れるわな」

「それで、直せるんですか?」

「買った方が安い」


 そう言いながら、突き返された。


「買おうにもこの街には売ってない」

「なら他の街へ行くんだな」

「とか言って、出来ないだけなんじゃ?」

「使い方を知らねぇ奴の武器なんざ、触る気も起きねぇ。

 どうしても直してぇなら自分でやりゃ良い」

「自分で?」


 鍛冶屋さんがため息を一つ吐いてから立ち上がる。

 そして、一本の小さなナイフを手に戻って来た。

 黒くくすんでいて刃も潰れていそうだ。


「これは、壊れちまったナイフだ。

 この程度もんなら買い直した方が安い」


 そう言いながら、鍛冶屋の旦那さんは私達が納品した銀鉱石を二つほど左手に握りしめる。

 右手には、黒いナイフ。

 その両方を真剣な顔で見つめる。


「リペア」


 そう呟いた直後、左手の中で鉱石が光を放ち、それが収まると同時にナイフが鍛冶屋さんの手にした部分から徐々に変色していく。

 黒から銀へと。


「まあ、こう言う感じだ。

 武器は使い続ければ、それだけ愛着もわく。

 何度も直してやりゃ、こうやってより強い武器に変わることもあらぁな」


 そう言いいながら、そのナイフの柄をカエデの方へ差し出す。


「え?」

「さっきの依頼と、命の恩人への恩返しだ」

「もらって良いんですか?」

「いらねぇなら売っちまえ」

「ありがとうございます!」


 ナイフを受け取るカエデ。

 そして、鍛冶屋さんが私の方を見る。


「やり方はわかったか?」


<スキル:【修理】を取得しました>


「あ、はい」


 えっと、スキルがもらえた?


「その銃を直したいなら自分でやるんだな。

 尤も、そいつを直すには、【魔晶石】クラスの素材が必要だろうがな」


 しまった。

 【魔晶石】、渡さなきゃ良かった。

 つまり、修理の為にまた岩肌をカンカンしないといけないのか。


「それとな、あの場所は俺が見つけた穴場だ。

 あんまり喋るんじゃねーぞ」

「はーい」


 新しい刃物をもらったカエデはご満悦。

 でも、もう二本持ってるじゃん。




「で、何でこれ貰えたんだろう?」


 鍛冶屋を出て、予想外の追加報酬に首を捻るカエデ。


「私もスキルもらったよ。修理」

「え? そうなの?

 じゃ、武器直せる?」


 私は首を横に振る。

 どうやら、鉱石毎に蓄積された魔力リソース量が設定されており、修理する為には一定以上の魔力リソース量が必要なようだ。

 入手しやすい【鉄鉱石】のリソースはごくわずか。でも、それを大量に消費することによって修理は可能だ。

 だが、それには一つ問題がある。

 【魔晶石】から取り出せる魔力リソース値は2000。

 対して【鉄鉱石】からは10。【魔晶石】と同じだけの魔力値を得る為に【鉄鉱石】が二百必要。更に修理魔法二百回分のMPを消費する。

 つまり、非常に効率が悪い。


 そうやって、修理の為に必死に鉱石掘りをするよりは新しいものを買った方が早いかもしれない。


 ただ、そちらはそちらで問題が。

 この街に銃が売ってない。

 ならば、他の街へ行くか。

 でも、その為には道中に立ちはだかるボスを倒さねばならないらしい。


「でも、余裕っしょ? 二人でも」

「そうかな?」


 確かに今なら軍資金に余裕がある。

 回復アイテムを山程買い込めば二人でも問題無いかもしれない。

 しかし、そうは問屋がおろさないのである。

 この場合、問屋ではなく店の方なのだが。


「アイテムが……ない!?」


 道具屋に寄ってポーションを買う。

 その為に、何時もの通りに仮想ウインドウを開き、カエデが叫んだ。


 本当だ。

 商品リストにHPポーションもMPポーションもない。


「ちょっと! おばさん、どう言うこと!?」


 カウンターに座るNPCを問い詰めに行くカエデ。


「いらっしゃい」


 だけど、おばさんの対応は淡白だ。


「何でポーション売ってないのよ!?」

「売り切れだよ」

「売り切れ!?

 え、何時補充されるの?」

「さあねぇ」

「わからないの!?」


 店で売っているアイテムに売り切れの概念があったのか。

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