↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
AI達はオンラインファンタジーゲームの住人だと気付いていない  作者: 弐屋 丑二


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/31

そんな怖い武器

 ナカマと名乗った女の子は、私の準備が済むと

「そのリュック、重量14なら……多分僕のキャラが背負えるから貸して」

パンパンになったリュックを背負ってくれた。

「良し。HPダメージがない。ちょっと待っててね。二窓にして攻略サイト表示するから……いや、タブレット使うか……そっちのが重くならないだろうし」

呪文の様なことを呟いて

「ルフィナちゃんは花使い……ヒーラールートのNPCなんだけど……僕、前衛ダメだから……うーん……料理スキルあるね……ナイフとかこん棒使える?」

「うん。包丁なら。松明も使えるよ?」

「……分かった。ルフィナちゃんのお母さんが使ってない包丁とかナイフある?」

ナカマと一緒にキッチンに行って、棚を開けまわって探すと錆びている大きな出刃包丁が出てきた。


 ナカマは出刃包丁を見て

「重量6、攻撃力21、病気の追加効果あり……錆びてるから破傷風かなあ。問題は攻撃レンジが2ってことか」

「ルフィナちゃん、装備できる?」

「装備……?」

首を傾げる私にナカマは

「腰に提げる、鞘みたいなのある?」

別の棚を探すと出刃包丁の木製ケースがあり、紐を通せる穴も空いていた。紐を通し、腰に提げ、出刃包丁を入れるとナカマは微笑み

「良し、行こう。僕は森で使えそうな木の枝を探すよ」

そう言って、私を外へと連れ出す。


 家の裏の倉庫でナカマは長袖の分厚い上着を手に取り

「防御力3……貰っていい?」

私が頷くと、すぐに着た。そしてお父さんが使っていた斧を見て

「重量19かあ……攻撃力52は惜しいけど、僕らのレベルじゃ使えないなあ」

などと呟いて倉庫から出て行った。


 お昼過ぎの村は穏やかな雰囲気で、まるで明日お父さんが自分で帰ってきそうな錯覚をしてしまう。ナカマは辺りを見廻すと

「こっちだね」

道を無視して北側に歩き出した。そのまま2人で村外れの空き地まで行くと、ナカマは目の前の森をグルグル見回し

「マップの通り、けもの道がある……ルフィナちゃんが装備してるカーネーションが枯れるまで四時間……いけるか」

そう言いながら勝手に入っていったので、私も付いていく。


 昼間の森は、野鳥の鳴き声が響き、長閑な様子だった。モンスターは居ないようだ。途中で長い柊の枝を拾ったナカマはそれを杖にしながら、獣道を迷わず進んでいき

「あっ……ルフィナちゃん停まって」

いきなり立ち止まり、背中に当たる。棒立ちのナカマの身体越しに横からのぞき込むと獣道の先の切り株に、一体の赤い頭巾を被ったゴブリンが力無く座っていた。緑の肌の痩せた身体に赤いボロボロのハーフパンツを履いていて裸足だ。かぎ鼻と鋭い二重の目、薄い唇。全体的に疲れている様に見える。


 ナカマはゴブリンの方を向きながら

「……調べるね……えっと、レッドキャップか。推定レベル10だけど、ネームが赤いからHP四分の一以下……倒せば……僕らが一気にレベル7くらいまで上がる」

そう呟くと、もう獣道から出ていた。私も慌てて付いていく。


 座っていたゴブリンは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに立ち上がり、ニヤリと笑うとダミ声で

「僕……いや!俺に狩られにきたゴブか!!人間ども!」

勢いよく叫んだ。ナカマが

「ルフィナちゃん!出刃包丁!」

私が頷いて出刃包丁を入れ物から出し、構えると、突然ゴブリンは冷や汗を垂れ流し始め

「ちょ、ちょっと待つゴブ!!話せば分かるゴブ!!可愛い女の子がそんな怖い武器ダメだゴブ!」

ナカマは嬉しそうに

「あの焦った感じは……多分……一撃で倒せる!よし行くぞルフィナちゃん一斉攻撃だ!……あれ?」

次の瞬間にはゴブリンは土下座していた。そして

「降伏するゴブ!!助けてくれゴブ!」

命乞いを始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。