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AI達はオンラインファンタジーゲームの住人だと気付いていない  作者: 弐屋 丑二


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ネトゲ廃人

地下から泥だらけのエリザベスが同じく泥だらけの人々を連れて出てきて、瓦礫すらない焦げた大地を見回し、笑いながら

「派手にやられたもんじゃなあ」

シャドウは顔をしかめ

「運営もネココも、もはやゲームを超えているのを理解しておらんのよ」

「然り。もう一つの世界を生み出しておるのになあ」

エリザベスはそう言うと私とキャピナに近寄り

「すまなかった。この世界の創造神達と、ネココがここまで底抜けの阿呆だと思ってはいなくてなあ」

シャドウが苦々しく青空を見上げ

「事務所がvtuberとしての名声が潰えたと判断して、路線変更の賭けに出たんじゃろうな。悪名で生き残ったライバーは多いからのう」

そう言って、私とキャピナに

「キャピナさんの故郷にわしらも行くわ」

そう言った。


 ナカマが夕方になっても戻って来なかったので私達は、地下街の生存者を救出しながら待ち続けた。ネココからの再攻撃を恐れる私にシャドウは

「……この世界の構造的にもうできんよ。恐らく一度切りじゃ」

そう言って、エリザベスも頷いた。


 日が暮れる直前にナカマは戻ってきて

「ごめんごめん……あっちの世界の僕のママとご飯食べに行ってました。もう大丈夫です。ご迷惑かけました」

深く頭を下げ謝ってきた。シャドウとエリザベスは頷いて

「行こう。攻撃で数千人死んだので、夜が更けると死の巨人が出現する。ここに居ると全滅じゃ」

そう言った。


 シャドウとエリザベスは何もないところから大きな荷車を2台出現させると、三十人程の生存者をそれぞれに乗せ

「行き先、ホワチーヌ城」

そう命令すると荷車は勝手に北東方向へと進みだし去って行った。シャドウが驚くナカマに

「自動配送装置じゃ。東の大陸のビンワオの依頼をクリアすれば憑依者に解放される一般機能じゃよ」

エリザベスが苦笑いして服の泥を払い

「どちらにしろ、今は行けぬ。配送装置が戻るまで我々は手ぶらの歩きで北西のハーピーキングダムを目指すことになる」

そう言って歩き出した。荷物も装備も全て失った私達3人も続く。


 シャドウとエリザベスは暗くなっていく平原を西に真っ直ぐ進み、森へと入ると、私たちが舌を巻く速さで光石と薬草、そして食べられるキノコ、効果が高い花々を次々に採取して布袋に入れていき

「……こんなもんかのう」

「……金に変えられるものも欲しいとこじゃな」

老人たちは、付近の大木に登り、そしてすぐパンパンの袋を持ち降りてきた。

「ドングリじゃ」

「特定のモンスター種との交易で通貨代わりになる」

ナカマが思わず

「何でそんなに詳しいんですか……」

尋ねるとシャドウがニヤリと笑い

「ジジババのネトゲ廃人を舐めるでない。破産からの資産回復はネトゲの楽しみよ」

よくわからないことを言い、エリザベスは大笑いしていた。

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