シャドウ
それから1週間、私達は、島で過ごした。私以外の3人がしばらく隠れていた方が良いと言ってからだ。私はネカマにウサギジングウネココが遠くに行くんじゃないかと尋ねたが
「ネココさんは、スナイドの街の市長になって、何故かブレイバーパーティーを倒すために武装組織作ってる……配信で見てるから間違いないよ……」
項垂れながらよくわからないことを言ってきたが、とにかくまだスナイドの街にいるらしい。
8日目の朝、ナカマが遠くに大きな船を確認して
「おーい!みんなー!エリザベスさんの仲間が来てくれたぞー!」
飛び上がって喜んだ。島の近くに停泊した黒い鉄船、蒸気汽船とかいう機械の鉄船に小舟で近づいて行くと、上から伸びて来た4本のロープで、小舟を甲板まで吊り上げてくれた。
船員たちが動き回る甲板には、浅黒いよく焼けた小柄で白髭と白髪がヒゲモジャの船員服を着た老人が出迎えてくれ
「シャドウという。リアルは太平洋側で細々と漁師してるジジイじゃ」
しわがれた老人の声で言ってくる。ナカマが恐る恐る
「ナカマです。エリザベスさんと長い感じですか?」
老人はガハハと笑い
「ウルタマもラストファンタジアも、ドラゴンジャーニーもずっと一緒じゃったよ。もう五十年か……徹夜でエンドに通っていた日々が懐かしいわな。あの頃からエリザベスとシャドウじゃ」
大きな煙突から煙を吐き出して、黒船はゆっくり旋回すると北西へと進み出した。シャドウは甲板後部の扉から船長室へ私達を連れていく。
全員がソファに座ると、シャドウもテーブル越しのソファに座り、大きな地図を広げ
「ここが現在地、ここがファーゴ市、そこから北西にスナイドの街がある」
ファーゴ市からそれほど離れていなかったことに私が驚いていると
「エリザベスは、数週間後ウサギジングウネココがファーゴ市に攻めて来ると考えておる」
ナカマは腕を組んで唸ってしまった。ゴブミツが
「また暗殺するゴブ?」
シャドウは首を横に振り
「ナカマさんとのやりとりで、ネココの身体がルフィナさんのお父さんだと分かっておる。暗殺すると彼が死ぬ。ネココはまた別の身体を手に入れるだけじゃろうな」
私はドキドキしながら聞いている。ゴンゾウが楽しげに
「どうするんや」
シャドウはニカッと白い葉を見せて笑い
「どのみち同じ手は通じん。ならば、ネココから街を奪えばいい。ナカマさんはもう了承しているが、パーティーの方々は協力してもらえるかな?」
尋ねてきた。




