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AI達はオンラインファンタジーゲームの住人だと気付いていない  作者: 弐屋 丑二


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16/31

プランB

 階段を上がる時ナカマは小声で

「プランBで」

と言った。私は黙って頷く。もう砂浜には帰れないということだ。二階の扉が開きっぱなしの部屋に入ると、ショートパンツにランニングシャツの腹が出た髪が禿げた……若い女性?いや男?凄く変な格好の小柄な人間が寝ていた。ナカマは可愛らしい女性の声で

「スンシ様ーマネチャの代わりにレアアイテムとエロいNPC連れてきましたよー」

声をかけると、変な人間は上半身を起こし、迷惑そうに

「配信始まってねえだろ。イベント前で寝てるんだよ。わかんねえのかよ」

低い太った男の声で文句を言うと、私を見て

「バニーロリ!!美少女!ジャスミンお前わかってんじゃん!」

ジャスミンというのはナカマの偽名で、敵対勢力には身分や名前を偽れるとかエリザベスがさっき言っていたが、私もよくわかってはいない。


 ナカマはニッコリ笑いながら、リュックから光り輝く鉱石を五つ出して置き

「オリハルコンですよー」

変な人間はそちらを見もせずに私に近寄り

「すげー!タイムストップかけて飾っていい?」

「どうぞ、お好きに」

「配信始めるわ!そこに2人並んで」

ナカマは私の手を引いて横に立たせる。そして軽く背中を叩いた。私は頷く。合図だ。緊張するが仕方ない。


 変な人間は私達の前に背中を向けて立ち、直後にクルクル踊り始めた。そして勢いよく

「マネカガミスンシのスーパーゲーム実況始まりましたー!今日はファンガールのジャスミンが!何とバニーロリのNPCを連れて……うげええおめえ何やってんの!!」

私はバニースーツを勢いよく太ももまで下ろして、丸出しの身体で変な人間に抱きついた。直後に、変な人間は固まってそのまま完全に石像みたいに停止した。

「もっ、もういい?」

ナカマがこちらを見ずに頷いたので急いでバニースーツを肩まで上げる。ナカマは光る鉱石の出っ張りを全て押すと、私の腕を掴み

「リターンハウス!」

と叫んだ。目の前の薄れている景色の中で天使と悪魔が部屋に駆け込んでくるのがボンヤリ見えた。


 次に気付くと、あのログハウスのバルコニーの前に私、ナカマ、ゴブミツ、ゴンゾウが4人並んで立っていた。荷物を積んだ小舟も背後に置かれている。ゴブミツはため息を吐いて

「プランB選んだゴブ……また振り出しかゴブ」

ナカマが苦笑いしながら

「ごめん、ヘンタースンシが部屋のすぐ前に課金の高レベルモンスター配置してて、これしか逃げられなかった」

ゴンゾウがナカマに

「上手くいったんか?」

「ヘンタースンシは配信BANされた。あの砦で配信してる別の実況者の放送では、まだ滅茶苦茶爆発してるね……砦も跡形も残らないと思う……レア鉱石に偽装した爆弾ヤバいな……」

「よくわからんが上手くいったならええわ」

私は今さら恥ずかしくなってきて

「ナカマ、何で……私、脱いだの……?」

ナカマは真顔で

「ルフィナちゃんのリアルな身体が配信に映ったら、自動検知で配信BANって言ってもわかんないか……とにかくあれでヘンタースンシの息の根止めたってことだよ」

「うう……もう着替えていい?」

「うん、ごめん。すぐ着替えてね」

私は服と下着をリュックから取り出すとログハウスに駆け込んだ。

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