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AI達はオンラインファンタジーゲームの住人だと気付いていない  作者: 弐屋 丑二


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海への冒険

 出来上がった一階建てのログハウスに入ると、中はキッチン、ダイニング、ソファ付きのリビング、ベッドがある寝室が3つ、海側にバルコニーまでついていた。住みやすそうな家のバルコニーで呆然としているとバナナを腕に抱えたゴブミツとゴンゾウが帰ってきて

「……家を魔法で建てたゴブ?」

「なんじゃこりゃああああ!」

驚いた顔で尋ねてきた。


 リビングでソファに皆座ってナカマが説明すると、ゴブミツが呆れた顔で

「憑依者マジやべーゴブ……好きにこの家に戻れるゴブ……やべーゴブ」

ゴンゾウは笑いながら

「まだ、家は建てられるんかな?」

ナカマが頷いて

「領土内は何件建てても一軒扱いだから、この島全体に建てられるけど、レベルが足りないね」

ゴンゾウは頷いて

「明日、また海に出てスナイドの街を目指そう。嵐に遭ったら、この島に戻ってきたらええわけやろ?」

「そうだね。でも戻ってくるたびに渡った距離はリセットになっちゃうけど……」

ゴブミツが軽く手を挙げ

「ある程度進んで島見つけたらもう一軒家建てろゴブ。そしたら行き来できるゴブ。んでこの家壊して、次の次の島に建てたらいいゴブ」

ナカマは苦笑いして

「1回領土設定して建てたら、簡単には壊せないんだ。次に建てる場所は慎重に選びたい」

ゴブミツは眉をひそめ

「……万能じゃねえのかゴブ」

ナカマは頷いた。


 その夜はバナナやリュックの中の保存食を食べて水を飲んで寝ることになった。ナカマは寝室を私たちに譲り、ソファで寝ていた。


 ……


 朝起きて、リビングに行くと宝石の原石や、錆びた鉄の剣、鉱石、摘まれた薬草の束、大きな水の入ったバケツ、そしてテーブルにはオレンジのブーゲンビリアがメモと共に1輪置かれていた。メモには「夜中のアイテム収集で疲れました。水は島の中央部に隠れた泉がありました。ログアウトして寝ます」

というナカマのメモが書かれていた。


 昼過ぎまでナカマは戻ってこなかったが、私たちは海への冒険の準備で忙しかった。鉱石や宝石の原石バナナと島の泉から水をバケツに汲んできて小舟に置いた。他にも武器やリュックなど、荷物の多さを私が心配するとゴンゾウは

「よほど空が荒れない限りは大丈夫じゃろう」

ニカッと笑っていた。


 ナカマが戻ってきたので私たちは出航することにした。ゴンゾウが海の流れを読んでオールを漕ぎ、ナカマが

「こっちの海流に乗ると速いよ」

などとアドバイスを的確にするので日が暮れる頃には遠くに島が見えた。砂浜浜に上陸するとまた無人島だった。ナカマは暗くなった辺りを見回し

「今日はここでキャンプだね」

と言った。


 そんなことを繰り返しながら、4日程海を渡り無人島に上陸して、ということを続けると遠くに地平線が見えてきた。ナカマがホッとした顔で

「スナイドの街がある大陸に戻ってきた」

と言って私達は歓声を上げる。これまでナカマが消えた後に出る紫のバリアで雨風を凌いだりキャンプしたり大変だった。ゴンゾウだけは涼しい顔で

「憑依者のナカマちゃんのお陰で、とんでもない速度で戻ってこれたわ」

と言っていた。


 私達が地平線に近づいて行くと、港町が見えてきたが何と煙が出ていて町が燃えていた。ナカマが焦った声で

「ゴンゾウさん、停まって!調べるから!」

そう言って座ったまましばらく黙り、そして

「うわー……廃プレイヤー同士で戦争してる……迂回しよう……」

呆然とした顔でそう言う。

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